昂る男。

25 たかぶる男。

 惚れた女は愛しげに、贈った指輪をていねいにふいてくれる。結婚を約束するもの、大事そうに。
 気づけば清子の腰に両腕を回していた。ゆっくり優しく。抱きよせて髪を頰でそっとなでた。

 驚かない。拒否しない。

 髪にくちびるでキスした。
 とまらない。耳にキスを。髪をかきわけ舌を差し入れる。

「……ん」

 いつもの声と違う。
 興奮してきた、息が荒くなる。耳もとで、確実に聞こえただろうに無抵抗。
 とまらない、ほっぺにキスした。すべすべ、抵抗しない。今度は舌つき、ねっとりと。右側の次は左側。
 たまらなかった。ほっぺに手をそえ、瞳をはっきりみてからくちびるにキス。

「……ん」

 幾度も角度を変える。上、下、横から。歯をなぞり舌を熱くからめる。
 空いた手が無意識に胸へ。ブラをしている。両手でふれたい、上衣を下からめくってホックを解きなまでふれた。

「あ……!」

 ゆっくり優しく、もうできない、とまらない。乳房と乳首をもてあそぶ。

「ん……あ、あ……」
「さぁや……」

 はぁ、はぁ……。

「さぁや、言って……好きって、想っていることそのまま言って……」

 はぁ、はぁ……。

「いま想っていること……されたいこと、そのまま……」

 もう喪いたくない。はなしたくない。
 美乳をあらん限りもみしだく。

「さぁや、……好きだ、さぁやもだろ……」
「ん……あ……」
「さぁや、好きだ、もう、俺……」

 一瞬でも早く中に怒張を挿れたい。スカートをめくってショーツのなかに手を突っこんだ。

「あ!」

 しげみの感触を確かめて奥にふれる。
 あたたかい。

「さぁや……濡れている」
「ん……ぁ……あ……」

 言ってくれなければ挿れてはいけない。

 濡れる花びらと入り口あたりを指で往復する。
 ちゅく、ちゅく、水音がする。

「んっ、あ、あ、あ!!」

 腰がひくついた。感じている。
 クリトリスを濡れた指ではさむ行為を繰り返すと、清子のあごが上がった。

「あ、あっあっあっあっ!」

 あえぎ声、イく寸前。がたがたと妖しい腰づかい。

「さぁや、すごい……言って、イって、いいよ……?」

 くちゅくちゅ、じゅぷじゅぷ。増える一方の愛液。美乳をもみしだき乳首をもてあそぶ。

「挿れたい、挿れたい、さぁや!!」
「っっーーーーー!!!」

 衣服も扇情的に乱れていた。
 いったん指と手を離し、抱きしめて足を浮かせる。寝室へ運んだ。
 においがする。惚れた女、お天道さま。地上のかおり。

 ベッドに横たえて服を脱がせた。上衣をはぎとる。乱れたブラ、まだらな色の乳房、充血した桜色の乳首。あおむけでも形がたゆんとしたお椀型。
 たまらなくてスカートも脱がせた。ショーツが濡れていた。
 たまらなくてショーツも脱がせた。ぬるり糸が伝う。
 いの鎖とタグだけの裸体。

 手早く脱いで清子の脚を広げる。熱く潤んでいた。視姦する。
 犯したい、たまらなく犯したい。
 
 

「っあ!!」

 強烈に目が覚めた。
 未来の夫がクンニしている。された箇所から、もっと奥から体中あふれる激情。

「さぁや、さぁや……イって、言って?」

 水音がする。ぢゅぷん、ちゅぶっ。

「ンっっ、あっあっあっあっ!」
「好きなんだろ俺を……知っているからな……言って、そのとおりイって……」

 熱い舌が、でも中には入ってこない。もどかしげに一番の手料理をただなめる。べろり、……ひとなめごとに快楽が脳天を突きぬける。

「好きって……ただ言ってくれればいい、いってくれれば……」

 甘いささやき。耳もとでなく、快楽の根源から。

「んっんっんっんっ……」
「そんな悩ましい声を出して……もっとないて、さぁや……」

 忠弘が舌をいったん離し、指をはわせる。
 じゅくじゅく、じゅくじゅく。花びらをもてあそぶ。舌とくちびるがしげみを愛しげに。おなかもべろり、乳房……乳首。吸って両方甘くかむ。言ってイって……。
 タグ、打刻面を満足げに、鎖骨も首もともべろり。あごからくちびるへ。

 縮めなかった距離。もう境はない。
 上唇と下唇がふれた。

「言って……」

 舌が入らない、くちびるだけ。

「イって……さぁや、好きって言って……」

 欲した性の声が響く。

「好きだ、さぁや、好きだよ……言って、さぁやもイって……」

 忠弘が、熱くて力強い指でぐちゅぐちゅ、あらん限り花びらとクリトリスをもてあそぶ。くちびるをあわせたまま、指と手が乳房と乳首に。大きな手でもみしだいてもてあそぶ。なにもかも猛々しくむさぼる。くちびるを激しく重ね、ねっとりとした舌を突き入れる。歯列も奥の舌もからめとり、嬲って吸いつくす。聞こえるように音をたてて離す。銀色の糸がだらり、たがいをつないだ。
 くちびると舌が乳首に移って、唾液を途中に、舌でべっとり残す。ちゅく、ちゅっ。音も残す、聞こえるように。

 鼓動も激しい心臓ごとむしゃぶりつかれた。ゆっくりくちびるをすぼめて乳首を攻めている。両方、愛しげに、もどかしげに、熱く、猛々しく。

 体位を変えられた。おしりを突きあげさせられ、四つんばいの体勢で後ろから。べろりと割れ目までなめあげる。舌と指がはい、乳房のようにもまれた。

「あ、……あっ!」
 
 

 気がつくとベッドに横たわっていた。
 寝室でひとり。

「……?」

 忠弘がいない。
 真っ裸に鎖と指輪。ぼんやりと眼鏡がみえた。
 汗と唾液がまとわりつく。頭、髪の毛まで。のどがかわいた、シャワーを浴びたい。

 体の奥がひくつく。挿れられていないのに、叫びそうになる。
 いま、ここにいたら。

 裸のまま寝室を出ると、いなかった。
 首をひねって風呂場へ。シャワーを浴びる。

 乳房を見ると、やはり残る愛撫のあと。
 熱い舌、大きな手、指の感触が全身をまとう。ひくつく、ありありと残っている。
 脚をあんな恥ずかしく、前から後ろから。

 全部見られた、あとはもう。
 体が叫んでいた。
 
 

 風呂場を出ると、裸の忠弘がいた。
 表情は直近よりもさらに突きぬけて性欲に濡れていた。
 いますぐ犯す。顔にかいてある。

「挿れてって……顔にかいてあるよ。さぁや」

 せめて口先だけでも否定していればよかったのに。

「俺が好きだって……体中でイっているよ。さぁや」
「あ……の」
「初めて会話になったな。……どうした?」

 一見、優しげに。小首をかしげて。

「おなか、空きました。ごはん、を……」
「ああ……」

 濡れた瞳は変わらなかった。

「やはり、時計を贈ろう……どんなのがいい……?」

 裸のまま濡れ伝うまま廊下を歩き、横をとおりぬける。
 手首をつかまれる? 腰を抱きしめられる?

「いままで、どんなのをしていた……?」

 すぐ後ろにいる。
 気を紛らせたかった。裸同士で、こんな。

「……昔、中学校のころ、……買いました。安物で……すぐに金属がとれて色が変わって、革もくたびれて電池がなくなって……しなくなりました……」
「贈ろう。革ではなく、塗装もとれない、さぁやに似合う華奢な……」
「マカロニグラタンです、作るので……座って待っていてください」
「そんな悩ましげな背中を見せておいて……挿れるな、とでも?」

 言葉でも突かれる。全身をなめるように視姦している。

「……ごはんを作るんです。手料理を食べたいっていつも言っているじゃないですか」
「わかった。さぁやの一番の手料理、ふるまってもらおう」

 もう、ふとももを伝っていた。
 
 

 いまさら服を着にもいけない。まだ土曜日、夜はこれからなのに。

 いったい、どうなってしまうの?
 
 

「ぁ、ぁ、ぁ、ぁ!!」

 夕ごはんのあとソファーで襲われた。
 あられもない姿で脚を広げさせられ、ひくつく箇所に舌がはう。一番の手料理を愛しげに堪能している。
 あらん限り愛撫された。何度も、何度もイかされた。
 
 

 翌日曜日、

「さぁや……して」

 寝室に充満する汗と性のにおい。
 忠弘がベッドの上に座って脚を広げる。中心に屹立する怒張。
 熱い大きな手が頭の後ろに。かきよせられ、見るしかなかった。

「もういい加減……俺の手で抜くのはあきた。して、さぁや……」

 ばっきばきに太い、脈打っている。
 なにをどうして、知らないわけがない。口を大きく開けるしかなかった。

「ん……いい……さぁや、歯を立てないで……扱いて、そう、両手で……」

 頭をつかまれ動かされ、前後に激しく含まされる。怒張がのどの奥まで達する。口をすぼまされ、あごがはずれるほど前後させられ、

「筋、裏、……玉もなめて。うん、そう、もう一度上から、かぷっと……うまいだろ……俺の作れる唯一の手料理だ……飲んで……」

 のどの奥に、ねばつく白濁が直撃した。
 
 

 午後3時をすぎていたらしい時刻、忠弘がいきなり中に突っこんだ。

「!? ……ん、あぁあああっっっっ!!」

 舌より硬い。強引で、あまりの激しさにイってしまう。

「まだだ……指だよさぁや」

 くちびるはふれつづけたまま。イって言って、むさぼられた。つながる銀の糸、みだらな手料理。
 忠弘が指で中をえぐりかき回す。水音、愛液がしぶきをあげて飛び散る。びちょびちょの太もも、割れ目、しげみ。
 体が、忠弘の指のとおりに激しく動く。腰が、ひとりでは絶対できない動きをしつづける。

「さぁやの膣……熱いよ、そう締めつけないで……」

 びっくんびくんはねる。忠弘がくちびるで追いかけ、指を激しく出し入れ。もっとも敏感な箇所をぐっちゃぐちゃにする。

「ぁー、ぁー、ぁー!!」

 飲んだ白濁、意識も白濁、何度も飛ぶ。起きてさぁや……キスで目覚めさせられる。

「じゅっぶじゅぶに出ている、さぁやの手料理……もったいないな、手がじゃまだ、ちょっと抜くよ……」

 挿れられてしまった、もう。もっと、もっと奥に。
 ふたりの液まみれの口で叫びたい。

「もっと奥に届く、硬くてでかいものがある……欲しいだろ……さっきまで口にえていたやつだよ……欲しいだろ……」

 何度も何度も、イかされた回数と同じだけ。
 忠弘が再び指を、もう1本追加して、まるで本番に備え中をなじませるかのようにぐっちゃぐちゃにかき回す。

「奥に生で射精す。さぁや、生理いつ……いくら俺でも……その日はしない」

 風呂場でも指を突っこまれた。前から後ろから同時に1本ずつ、容赦なし。あまりの突きあげる力に足が浮いた。
 熱いシャワーをともに浴び、流すそばから汗がふきでる。一番の手料理が湯と混ざって流れ落ちる。深く、猛々しくキスされつづけた。

 体の、汗か湯かもわからない液体もふかず、寝室に運ばれる。
 ベッドの上であおむけにされ、ふとももの内側をがっしり抑えた忠弘に脚を広げられ、中心にむしゃぶりつかれた。

「どうして言ってくれない? 俺を好きなくせに……」

 唾液と愛液で口のまわりもべとべとにしながらささやく。

「でないとこんなにあふれないだろ……」

 舌がしげみとクリトリスに。中指も突っこまれぐっちゃぐちゃにかき回された。

「言って……俺がどれだけ待っているか、知っているだろ……」

 ぷっくりふくらむクリトリス。忠弘がくちびるではさみ、愛しげに、もどかしげになめあげ吸いつくす。

「言わないと……もっとひどくする……」

 声は、ずっと脳天から出ていた。激しい動きどおり間断なく。

「わかっている、さぁやは力でいくと怒るよな……機嫌、そこねたくない……」

 何時間、何時……わからない、もう疲れた。いますぐ泥のように眠りたい。なにもしたくない、休みたい。なのに、

 もっと、

「言って……イくみたいに、想ったとおりに……」

 もうだめ。もう、

「そのまま……」