もしも雪の日の邂逅がなかったら?

3

 中間試験休みの土曜。午前十時に、梅子は三番駅に降り立った。遼太郎から簡単な地図を持たされているので、それに沿って歩く梅子。
「えっとー、えっとー、……あ、ここかな。西川って表札がある」
 ピンポンを鳴らす梅子。
「はい、いらっしゃい」
 出て来たのは、遼太郎を四十年くらい歳食わせればこうなるのではないかと思われる、老人といっていい男性だった。
「あの、は、はじめまして斉藤梅子と申します!」
「はい、お待ちしてました。遼ー! 梅ちゃん来たぞー!」
 西川父、後ろをむいて居間に向かって大声で。
 梅子、“梅ちゃん”? と思う間もなく遼太郎が出て来る。
「おー、来たか梅の字。上がれ」
 こうして梅子は西川家の敷居を跨ぐのであった。
「じゃ行ってくるからな。梅ちゃん、試験頑張ってな」
 西川父、家を出る。
「え、え」
 梅子、自分が来たから西川父を追い出してしまったのかと思う。
「ああ気にすんな梅の字。親父は漁業でこれから作業に出るだけだ」
「漁業? うちもそう」
「そうか。じゃーやるぞ」
 遼太郎、指をばきばき鳴らして。
「生きて帰れると思うなよ」
 数刻を経て。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
 梅子、息も絶え絶え。
「よし、しょうがねえが休憩、っつーかメシだ。梅の字、なにか食いたいものはあるか」
「えっとー……って遼太郎が料理するの?」
「そうだが?」
 すると梅子は尊敬のまなざしで遼太郎を見る。
「すごい……わたしなんて作れないよ」
「ま・俺様だからな。っつーか女だろお前、料理ぐらいしろ」
「うっ。……ほんとに遼太郎って出来ない事ないみたい」
「あるぞ」
「え、なに?」
「子供が産めん」
「バカーーーっっ!!」
 食べた後。
「そういえば遼太郎は、将来なんになりたいの?」
「あ、俺? システムエンジニア」
「そっか……」
「お前は?」
「わたしは、……公務員にでもなって地味に生きて行こうかな、と」
「マジ地味だな」
「悪かったなー」
「だが。それならなおいっそう勉強が大事だ。公務員試験の為にと思って頑張れ」
「うん。ほんと、ありがとう遼太郎」
「礼など要らん。さ、始めるぞ」
「ううー、もうちょっと優しく……」
「甘い!」
 そして梅子は中間試験を無事受け、高熱でぶっ倒れることなくお祭りに出られるのであった。

 合同祭前のさいごの選択授業・美術。前回で石膏デザインはおえていた。今日は教室へ入ると、その結果がうしろに張り出されていた。梅子、それをなんとなく見る。すると、アホな梅子でも一発で分かる緻密で大胆な絵、100点満点を取った絵が真ん中に飾られてあった。
「へー……え。すごーい……」
 とつぶやくと、後ろから坂崎と並んで来た柊子ちゃんが梅子に解説してくれた。
「それ、井上君が描いたんだよ、ね、井上君」
 その言葉に振り向くと、井上が照れたような表情でそこにいた。
「へーえ……すごいんだね、井上君!」
 褒めると井上はさらに照れた。
「“井上君”って、家、喫茶店やってるんだってさ」
 これを言ったのは坂崎。
「よく知ってるな」井上。
「和田に訊いた」坂崎。
 和田も実家が喫茶店。
「それじゃ、後でみんなで行こうか!」柊子。
「いーね。“井上君”、ってなワケで割引ヨロシク」坂崎
「あのなあ……」井上。
 この会話の流れ上、梅子は柊子の後ろに、柊子の隣の坂崎のうしろに井上が座る事に。
 そして今日の課題は「油絵で人物画」。井上は、ちょっとモデルになってくれと梅子に頼むのであった。

 さて、来る合同祭。
 考えたんですがこの場合、お楽しみ競技が「アレ」である方が話がおもろいので、もしもシリーズでもアリとします。さいごにリレーがあるのも、MVPを選ぶのも同じ。
 マコの出る競技がバレーと知った慶ちゃんは、自分も当然出る競技をバレーとする。リレーには陸上部に所属した事により出られない。
 梅子の属するチームはあえなく一回戦負け。さほど落ち込む事なく、梅子とマコは第二体育館の客席で男子バレーを観戦することに。
 何試合目かに、遼太郎&坂崎のチームと慶が対戦する。慶は島国でも上から数えて数番目の運動神経を遺憾なく発揮……する予定であったが、チームメイトに恵まれず、坂崎のブロックにことごとく捕まってあえなく敗退。
 負けて悔しい慶も含めて、三人で客席に座っていると、勝った遼太郎が近寄って来た。
「よっ。勝たせてもらったぜ、慶」
「ぶー」
「ガキか。おいそろそろメシでも食おうぜ」
 とか言って遼太郎、近場に座る。
「陣地に行って食べないの?」梅子。
「メンドイ」遼太郎。
 そして会話は自然に、男子バレーの話になる。
「それにしてもホントに遼太郎って何でも出来るね」梅子。
「ああ、バレーならこの場合は坂崎がいいんだ。知ってるだろ梅の字、坂崎ってやつ」遼太郎。
「あ、あたし知ってる知ってる! 家近所だったんだ!」マコ。
「そーかそーか」遼太郎。
「て~~」
 慶。この場合、坂崎哲也のてつや、を親しみを込めて呼んだものである。
「あいつのトスワークはピカ一だ。なーんでバレー部入らないのか分からんな」遼太郎。
「坂崎の事だから、メンドクセーの一言なんじゃない?」マコ。
「らしいけどな」遼太郎。
 コートでは試合が始まっている。
「あれ……?」梅子。
「ん。どうした」遼太郎。
「うん、知ってるひとが出てる。同じクラスの、井上君」梅子。
「ほー」遼太郎。
「すごい絵の上手いひとなんだ。油絵なんてふつうの高校生はやり方知らないと思うのに、すごく慣れてて。授業で教えて貰ってるの」梅子。
「ほー。言っとくが俺だって知ってるぞ油絵」遼太郎。
「え、そうなの?」梅子。
 梅子と遼太郎、クラスが隣同士なので、選択授業は一緒になる。だから、遼太郎が美術だったら梅子と同教室内になるはずだったが。
「俺は音楽選択だからな。でもま、絵も上手いぜ自慢だが」
 ちなみに斉志は絵がまったく描けません。
「ふーん……」梅子。
「ねえねえ、なんかすごいねあの井上ってやつ。さっきから一人で点取ってるよ」マコ。
 井上くぅんは白組になって頂きましょう。
「そーだな。こりゃ明日にでも対戦するかな? ああ言っとくが梅の字、お前は俺を応援しろ。そこの二人もな!」遼太郎。
『はーい』三人、声を揃えて。
「おしいい返事だ。さぁて午後の部行きますか!」

 合同祭二日目、第二体育館。
 さっそく遼太郎&坂崎と井上くぅんの試合と行きましょう。
「よっ、“井上君”」坂崎。ネット越しに。
「……なんかさあ。前から思っていたんだが、あんた俺をバカにして呼んでるだろ」井上。
「そんなことないぜ、知治」坂崎。
「……あーそうかいそうかい。んじゃ哲也な。今日は手加減ヨロシク!」井上。
 ってなワケで対戦開始。
 しかし、二対一では圧倒的に井上が不利。孤軍奮闘しますが、結局井上は負けてしまいます。
「クッソー! 来年見てろよ!」井上。
 コート上の十二人、コートを去りながら。
「知治っていい腕じゃん。バレー経験者?」坂崎。
 遼太郎は二階の客席へもう行きました。
「ワケねえだろ。俺は現役のサッカー小僧だよ」井上。
「ふーん。あ、そうだ。明後日の打ち上げ、俺んち旅館なんだけどさ、一番駅近くの。宴会場予約満員で入っていて手伝いさせられそうなんで嫌なんで、知治の所に転がり込んでいい?」坂崎。
「なんかこー、ツっ込みどころ満載な話なようなないような……」井上。
 第二体育館を出る二人。井上は試合に負けたらミニサッカーかサッカーの審判をするお役目があるのです。
「って。あんた彼女はどうすんだよ」井上。
「トーコちゃん? 友達とつるむってさ。ケータイ貸して」坂崎。
 井上から勝手にかっぱらった挙げ句、番号とアドレスを勝手に登録し合う坂崎。
「んじゃ明後日は朝から行くから朝飯からヨロシク」坂崎。
「……なーんかどっかツっ込みたくてしょーがねえようなないような……」井上。
 だからあなたは本編で梅子に告れなかったのですよ、井上くん。

 結局バレー男子は坂崎と遼太郎のいるチームが優勝。
「ま・こんなのは当然だな」
「ねえ遼太郎……」
「なんだ」
「ここって桃組なんだけど……なんで緑組のあんたがいるの」
 三日目は、みんな第一校庭にあつまって、グラウンドの回りを囲む組の色で塗られたおっきなシートの上に座って応援しているのです。
「いいじゃん別に」
「遼太郎って確か、執行部のお偉いさん、じゃなかった?」
「俺ァ権力とかそういうの興味ねェんだよ」
 遼太郎、照れると巻き舌になる。
「興味があんのはキミタチも知っている森下女史さ。やつにやらせりゃあんなの朝飯前。俺様は自由を満喫するのさ」
「あっそ……」
 そして四人は合同祭三日目を堪能するのであった。陸上競技の、凝った種目を観ながら。
「慶ちゃん騎馬戦も出るんでしょう? 行ってらっしゃい、がんばってね!」梅子。
「マコ~~」慶。
「はいはい行っておいで!」マコ。
 慶はマコに応援されないと力が出ないのです。
 さて、そろそろ例の競技となりました。
「マコ~~一緒に出るぞ~~」慶。
「なんであたしが!」マコ。
 なんだかんだ言ってこの二人、出ます。っつーか慶に無理矢理マコが引っ張られる。
 そして遼太郎はというと。
「いや~~キミタチ僕目当て? 嬉しいケド人数が多過ぎるなァ」
 遼太郎の回りには、目当ての子達がいっぱい群がったのであった。
 結局遼太郎は誰か一人にしぼることなく、全員で出ましょうと言いました。すごいハーレム状態です。そのことを、MCのお祭り男ズにマイクで突っ込まれても堂々としています、遼太郎。
 嵐のような上記の人たちが去って、桃組の梅子はひとりぽっつーん。
 そんななか、梅子に近付く者がいました。その名は、
「斉藤は出ないのか」
 我らがサッカー部くんでした。
「井上君……どうしたの?」
「いや、別に……にしてもすげえな、西川ってやつだろ?」
「え? うん、そう。ハーレムだよねあんなの」
 とか会話をかわしつつ、サッカー部くん梅子の隣に座ります。ちなみにサッカー部くん、言いよられた女の子(複数)を振り切ってここに来ています。
「あの……さ。ところで……」
 サッカー部くんは童貞ではないものの、自分からリアクションを起こした事はありません。だから本編ではあーんなんなんですが。
「明日の打ち上げ、予定あるか?」
「ううん?」
「じゃ、さ。午後、……うちに来ねえか。喫茶店なんだ」
 サッカー部くん、坂崎なんて野郎となんざ午前中で仕舞いにしてやる、と思っています。
「おごってやるからよ。っつったって、珈琲だ紅茶だ淹れんのは俺だが」
「井上君が?」
「ああ。これでもガキの頃からやっててな。将来的には、喫茶店経営出来ればいいなあって、思っているんだ」
「そうなんだ……すごい、ちゃんと将来の事考えてて」
「じゃ、OKか?」
「えっと……うん」
「じゃ、アドレスとバンゴ教えてくれねえか?」
 なんとあのサッカー部くんが梅子のケーバンとアドレスまでチェックしちゃいます。本編では死んでも考えられません。
「じゃ、明日な」
「うん」
 サッカー部くん、とりあえずその場を去ります。するとあの競技に出たメンツが帰ってくるのでした。
 斉志がいないので、MVP選考はリレーも含めます。そのリレーには、サッカー部くんも遼太郎も出ます。ただし慶は出ない。
 マコ、梅子に、
「そういえばウメコ、明日休みじゃん? どっか行って遊ぼうよ!」
「え? えっとー、明日は予定が……」
 マコ、お互いに友達はお互いだけと思っているので、他に恋人……じゃなくて友達が出来たのか、あたしをさしおいて、と思ってしまう。
「えー、なにそれ!」
「うん、ちょっとね、さっきね……」
「ふーんそっか、友達で来たんだ。あたしなんて慶のバカとバカなことしかしてないよー」
 リレーでは、サッカー部くんは先頭を、遼太郎はアンカーをつとめたので直接対決はなし。
 さて、MVPです。結果は勿論、遼太郎の一人勝ち。きゃーきゃーと女の子の嬌声が上がる中、それに不満を持つ者もいたわけで。
 お祭りがおわって、梅子自宅の自室に戻るとメールが入っていました。遼太郎から。
“明日予定あるか”
 梅子、拙い手つきで返信。
“うん、ある”
“お、すげえな。もう友達出来たか?”
“うん、まあそんなとこ”
“そうか。じゃあな、明後日の部活はなしだ。出んでいい”
“そうなの?”
“ああ。じゃあな、クソして寝ろ!”
 マコもそうであるが、遼太郎からも深いツッコミをされなくてよかったなと思う梅子であった。
 さて、翌日午後。言われた通り四番駅に降り立った梅子。サッカー部くんが迎えに来てくれました。
「よっ、斉藤」
「えっと、こんにちは、井上君」
 さっそく喫茶井上に向かいます。カランコロンと扉を開けると、マスターさんから「らっしゃい」の声。サッカー部くんにそっくりの、頑固一徹的初老の男性でした。
「おじゃましまーす……」
 そして梅子は店内のひととなった。
 梅子、喫茶店に入るのは初めて。つい店内をきょろきょろと見渡す。サッカー部くん、それが分かるが口に出したりしない。
 サッカー部くん、梅子のリクエスト通り、茶と珈琲を出す。
「おいしいね!」
「そうか。サンキュ」
 などという会話があって。
「そういえばあの。用件というのは……?」
「ん? 別に何もないさ。ただ、俺の絵を褒めてくれた人に、感謝を込めてなにか淹れてやりてえなって、それだけ」
「褒めたっけ?」
「褒めてただろ、石膏デザイン」
「ああ、うん、あれはすごかった! 紙いっぱいに描かれてあって、描くってこうするんだよ! って感じがして、100点満点で!」
「そうか。ありがとう」
 話は、将来なにになるか、という話題にも。
「……で、俺は将来、出来れば喫茶店をやりてえんだ」
 サッカー部くん、父親であるマスターの方をちらっと見て、
「とは言っても、開業資金って必要だろ。だから、大学を出てすぐはやらない。社会勉強っつーかな、サラリーマンのひとつもして、それからやりてえんだ」
「ふうん、すごいんだ井上君。ちゃんと考えてて。どういうサラリーマンしたいの?」
「ああ、俺設計に興味があってな。洋式の。だから、大学はそっち方面に行く。斉藤は?」
「わたし? わたしは、出来れば地方公務員を地味ーにやれればいいかな、って……」
 いろんな話をします。なぜなら、サッカー部くんはサッカー小僧なので、休みなんか今日みたいな日しかないからです。
「そういえばさ。俺、サッカー部なんだ。来月から夏大会始まるんだが……観に来ねえ?」
 梅子、びびります。遼太郎もそうですが、なぜこんなによくしてくれるのかと。
「なんで……そんなこと、言ってくれるのかな」
「予定あんのか?」
「ううん、ないけど……」
 本編の、自信のかけらもない梅子なら即座に断っていたでしょう。でも、もういじめもない、退学寸前まで追い込まれていない、高校になって比較的早々友達が出来た、成績も百番台になったことでちょっとは自信があるのです。
「じゃあ……行こう、かな」
 梅子、よければマコも誘おうかなと思う。
「そうか。じゃ斉藤の為にゴールしてやるよ」
 サッカー部くんは一年なのに試合に出られるのがどんなにすごいことかなんて、梅子には分からないのでありました。
 ──俺、なんで斉藤を呼んだのかな。
 女なんてツラのいいのがよりどりみどり、向こうからあれほど集まってくるというのに。
 ──斉藤の為に、なんて……まるで……
 翌日、一年E組。遼太郎の回りには、学年組関係なく女生徒が群がっている。
「やあ、もてるね」
「まあな」
 遼太郎は後部座席からかけられたこの言葉に、なんら思う所はないのであった。
 遼太郎が梅子に、部活へ出るなと言った理由はこれだ。群がる女生徒。遼太郎は斉志と違い、女性を蛇蝎のごとく嫌う趣味はない、もともと女好き、むしろ群がられるのは気分がいいくらいだ。だが将来の道につながる部活には、本当に真面目なやつしか入れたくない。真面目にやる事が、遼太郎に取ってはむしろ息抜きになるのだ。だから、入部を希望する女生徒達には悪いが今日で全員入部は無理と納得頂く。そんなところに、ひとり入部を許された平凡以下の容姿なやつがいたら面倒だ、そう思っていた。
 どうやったかはともかく、遼太郎は女生徒達を部活から追い払うのに成功。梅子にメールする。“明日からは通常営業だ、部活来いよ”
 そんな梅子はマコに、来月の日曜日にサッカー競技場へ来て欲しいなるメールを入れていた。
“へーえ、なんであんたがサッカー?”
“サッカー部のひとに、出るから観に来いって言われて”
“サッカー部の? それ……男?”
“まあ、そう”
“え、あんた西川狙いじゃなかったの!?”
“ち、違うってば……”
“ひょっとして昨日用事があるって……デートしてたの?”
“ち、違うよっ!”
“よーし、あらいざらいゲロしてもらう。学校ひけたら即店来いよな!”
 マコはA市民だったので、集まると来れば店、という意識があるのだ。
 さて、放課後となって店。
「で。もー勘弁して下さいって言うまでゲロしてもらおっか」
「あ、あのねえ……」
 しかしお互いが唯一の友達。結局梅子は洗いざらいゲロする羽目に。
「それ、絶対そいつウメコに気があるよ!」
「え、そんなことないよ。ただ」
「なによ」
「接点があるとすれば同じクラスで、……こないだ初めて選択授業の美術で席が隣になって、お互いを描き合っただけで……」
「なにがだけ、だ! それで充分じゃん! そいつ、ウメコにホレてんだよ!」
「……違う、と思うけど……」
「西川はモテ過ぎだから、そいつにしちゃえ!」
「しちゃえって」
 マコ、ここでジュースをひとすすりして。
「それにしても、あんた友達出来たって聞いて……あたしちょっと嫉妬しちゃったんだ。あたしは出来ないのに、って」
「でも、E高はいいとこだって言ってたでしょう」
「うん、問答無用でいいとこ。いい知り合いはたくさん出来た。でも、友達となると……これが、ね」
「きっとそのまま行けばいい友達になれるよ。マコ、いいコだから」
「そう? エヘ」