斉志

 いつもならこれでなにかしら梅子を怒らせてヤって眠らせるんだが、それだけではな。別に機嫌取りじゃないが、紅茶を淹れた。梅子は美味いと、淹れ方を教えてくれと言って来た。俺は当然二つ返事で了承。すると梅子が笑顔を見せる。よかったと。ささやかな、ほっとした笑み。
 あの時のような笑顔が見たい。梅子は俺に遠慮して、……いや、俺以外のやつ相手になら、……あんなふうに……。
 駄目だ、前もこんなこと考えたぞ俺。それで梅子を傷つけた。
 また俺は言い過ぎたかもしれん。だがああやって言わないと梅子は本当に無自覚だ。自信がなくて、自分にはなにも無いと思い過ぎて不用心。実際実物はうんと可愛くなって色気出まくりのこんな躯。真っ白な肌全身に俺の刻印。
 それでも、……それでも外に出すべきだ。日中に限定し、肌の露出のない服で絶対塀を乗り越えるなと言い聞かし、時間を限ればいい。梅子は言えばきちんとそうする。このうちに俺がいない場合、梅子の具合が悪くなったらボタンを押そうが押すまいが詰め所二階の連中がすぐ来る。食材雑貨洗濯物は勿論、梅子がうんと好きな、プールでぷかぷか泳ぎだってマンション内で……。
 だがそうなれば?
 俺、要らない。
 ……。

梅子

 へんに悪い方悪い方へ考えるのはお尻ぺんぺんだけど、区別はつけよう。うん、いっくら寝惚けてたとは言え、つい本音が。いけない、いけない。斉志の思う通り、です! 斉志いつも真剣に講義受けてるのに、そんなときのお電話口でへんなこと言っちゃいけない。これは考えてもいいことだし、そう言われてるし。だったら早速実行しようっと。
 そう思って。いつもの時間に電話が鳴るまで一心不乱にお掃除してた。
 白電話の音がする。
「はい、成田、です」
「うん、梅子。いまなにしてる?」
「これからお昼」
「じゃあいい」
「うん、斉志もお昼にして。じゃあね」
「……」
「せいじ?」
「……なんで、じゃあね」
「え?」
「なんで、たったひとことふたことで……」
「え、あの」
「なんで俺食いたいって言ってくれないんだ梅子」
「え」
「俺のこと要らないんだろ、俺があんなこと言ったから食いたくなくなったんだろ」
「え、い、ううん、ちち違う、ただその電話口では」
「なんで俺誘ってくれない」
「え」
「俺、俺梅子に誘われないと駄目だ、そうでないともう我慢出来ない、俺我慢なんて大学と仕事以外絶対しない、梅子、梅子俺のこと誘って、俺のことなんとかにならないで」
「え、え、……ぅぅ、いやその、う、……せいじスキ」
「……やっと言ったな。それすら言ってくれないで、たったあれだけで電話きろうとして……。い、厭なんだろ、俺から電話なんてなんとかなんだろ、俺に愛想尽かしたんだろ」
「スキせいじ」
「ほんとに?」
「ホント」
「じゃあ言って」
「……、……、……せいじのこと、たべたい」
「うん、俺も梅子食べたい。梅子、アレ着て。それでうんと濡れて俺出迎えて。明日は俺、梅子の足腰厭々立たせるけど……こ、こんなこと言う俺でも好き? 一晩中ヤらないなんて言う俺でも好き?」
「スキ」
「よかった……」
「う、うん」
「梅子。ちゅーして」
「ハイ……」
 なーんとかや、かーんとかは、一体どこへ……。
 なんて考えた日にはわたしはまたしても夜までぐーたらこの星一番のどうしようもない女房になるかと思うので、お揃いのお弁当をきちんと食べてお茶飲んで、お料理の研究をして武道の手解きして、ストレッチしまして腕立て腹筋背筋しましてぐてー化を防ぎ、かいた一汗を流すべく念入りに入浴をば致しました。
 それから夕飯の支度をして。あれ、とやらを着ます。
 えっと、えっと、あれ、って……これだっけ。これをー、こうしてー。えっと。
 ちょっと違うかもしれないけど、でもこれ下着としての機能をまるでまったく果していないものだろうから、まあいいやと思って。とととにかくむねとしたが隠れなければいいんだろうと開き直って身に着けました。あーああ、わたしってほんと、照れ屋でもなんでもないかも……。
 それにしてもどうやってこんなの発注したんだろう……。
 ぽーんと音がして、あの扉が開かれる。髪を上げて、スーツとコートの旦那様。うんと格好よくて、あの扉を開けてわたしを見る瞳。
 好き。
「おかえりなさい、斉志」
「ただいま梅子、梅子、俺のこと厭!? 俺のことそんなに要らない!? 俺のことそんなに!?」
「す、……き!」
 おっきな手がすぐ、腰とあし、膝の下にきて、それからしたとうえの、……くち……ぐっちゅぐちゅに貪られ、て……。
 突き上げられ、て……。ずっとガンガン、がくがくいってて、ギリギリ意識がある限界で斉志って名前呼んで、斉志もうめこって呼んでくれて、も、それで……。

 気が付くとソファの座る所で、うつ伏せでマッサージを受けるときのように顔の前で腕を組んでいた。それで、それで斉志後ろから、わたしの後ろからガンガンわたしを突き続ける。にく、ほね、ぶつかる濡れた音。びちゃびちゃ、ぐちゅぐちゅ、熱くて、とけて、おしり、突き上げてて、腰、斉志に合わせて動かしてる。せいじ、手、前に、……い、
「言え、言え梅子!!」
「……いじってぇ!!」
「どこをだ、言え! その通りしてヤる!! 言えよ梅子!!」
「ま、……ぇえ!! むねぇ……!! せいじ、せいじ、お願ぃ……」
「前!? どこだ、言え!!」
「……、……」
「言えよ梅子、言わないと抜く!!」
「厭ぁ!!」
「言え! 俺が欲しいって言え、俺がいないと駄目だって言え、俺だけ必要だって言え、俺のこと、……俺に狂え梅子!!」
「くるってるもん!! とっくの昔にくるってるもん!! 欲しい斉志、好き、好き、好き好き好き!! 斉志いないと駄目、も駄目、斉志いないと厭、斉志だけ必要なの、だから、だから……!!」
「なら言え!!」
「……しげみ、の、なか!! ……つぼみ、……いじって!! ぐっちゃぐちゃ、いっぱいいじって!! ……ァアアアアアアア!!」
「この、……締め、……っく、……ぁン!!」
「イって、斉志、イって!!」
「梅子と一緒だ!! 絶対一緒だ、電話もだ!! 梅子、梅子電話先きるな、あんな、……よくもすぐにきろうとしやがったな!! こうしてヤる!!」
「アアアアアア!!!」
「……もっとって、ゥン、……思ってるな梅子、イ、……ヤらし過ぎるんだよ!!」
「ァン、ァン、ァン、ァン、ァン、ァン、ァン!!!」
「哭け! もっと哭け!! イけよヤらしく!! そんな、そんな格好自分からして、よくも、……よくも!! 言え!!」
「好き! 好き斉志、……も、っ……と!!」
「この!! この、梅子、惚れてる、溺れて、……も、……俺!!」

斉志

 飯も当然俺入れてヤった。隣? 乗せて? なにそれ。
「……、……」
「食えよ、これが日常だ梅子、食え」
「……、……」
「返事しろ、食え、でないと抜くぞ」
「た、……べる」
「飯時は、……く、喘ぐな、……締めるな梅子、力抜け……返事」
「う、……ン」
「ほら、息整えろ。……突くな? ……分かった。食いおわるまで動かん。だから食え、……梅子、食べて……な」
「う、……ん」
「ほら……食う」
「い、……ただきます……あ、……ん」
「そうだ、食え。俺も食うから、……な」
「ぅ、……ん」
「……美味しいぞ梅子。梅子は全部美味い」
「……ヨカ、ッタ……」
「ほら、食う。食べて……」
「う……ん。あ……ん」
「分かっている。俺も食う。……箸? いい。梅子、そこまで気回すな。いいから、俺の思う通りだ梅子。……な」
「う、……ん。あ……ん」
 いつもより、いや、これまでで一番時間掛けて飯食って、あとは日常、下からガンガン突き上げる。梅子の尻とタイミング、合わせて。俺と梅子、イくまでの時間、確実に長くなっている。ありったけ揉み尽くして、それでも形のいい、ぶりぶりの胸、尻。腰、きゅっと引き締まって、梅子こんなに躯小さいのに、……少し力加減を間違えて抱き締めれば簡単に砕き折りそうだ。俺、理性、無い……そのうち、ひょっとしたら、もしかして、……その方が。
 湯船でも梅子貫いて、意識引き戻してそれでもイかせ、湯当たりは却下、躯洗って髪洗ってさっさと風呂を出て躯を拭く。スケスケのネグリジェとスケスケのショーツを穿かせ、その格好で照れながら歯を磨くところが見たくて悶絶ちゅー起こし。
 梅子うんと照れて、照れまくって、俺のこと見上げながら、あいた左手の行き場所がないとばかりにぎこちなく歯磨き。俺がしたい。けど梅子はわたしがやると言う。ちいさな声で。
 歯を磨いた後、口の周りをタオルで拭いてやる。こうするとき、梅子は自然に目を閉じる。なにをしても俺を誘う、無自覚な梅子。
 梅子、梅子胸、手で覆い隠したいと顔に書いてある。だがそれをすればどうなるか、梅子はよく知っているからな。うんと照れながら両手は下。隠さない。梅子乳首勃ってる……。
「照れてるな梅子。乳首勃ってるぞ。……どうして欲しい?」
「……、……。あの、……吸って。うんと……甘く、かんで。斉志」
「も、……濡れてるぞ梅子。どうする? ここでズドン一発? 担いで指入れる? そうもじもじするな。……知らないだろ梅子、そうしてると、……梅子な、梅子はいつも俺のこと誘ってるんだぞ……」
「……、……」
「そんな目で……。誰も見るなよ梅子……」
「斉志だけ見る……」
「そうだ、俺だけだからな梅子……」
「うん、せいじ、すき、すき、なんでもして、なにされてもいい、も、……すきにして、その通りする、言って……」
「……どうして欲しい?」
「……あ、の……」
「うん……?」
「お、……おこられるかも……」
「いい。怒ってヤるよ、いっぱい泣かす。だから言って、梅子」
「うん、あの、……ロフトで、したい……。厭?」
「わけないだろ。じゃあ担ぐ、だな梅子。……ズドンは厭?」
「すき。……突然、されるのすき……」
「分かった。いくらでもヤってやるよ、梅子いきなり犯してヤる。担がれて指でぐちゅぐちゅされるのも好きだもんな梅子」
「……ぅん、すき……。いっぱいして……」
「うん……」
 願い通り担ぎ上げ、ぐちゅぐちゅでふやけたレース除けてそこから指二本突っ込んで、なかの、……弱点を重点的に。
「ぁン! ぁン!! ぁ、ぁ、ぅ……ン!!」
「もっと哭け。うんと喘げ梅子。……ここ、だろ?」
「ぅあン!!」
「イきそうだな」
 抜いてやる。
「厭!! 抜かないで!!」
 ……あなの周り、わざと掠めて。
「厭、厭ぁアアア!! 焦らさないでぇ!! じ、……焦らされるの厭!!」
「……好きって言ったろ」
 茂み、撫でる。梅子がいつも綺麗にしてくれるうち。普段は使わなくともいつでも使えるように整えてあるうち。ロフトも当然そう。
 そっと横たえて、脚をいつものごとくおっ広げる。全開、だ。
「いい眺めだ、梅子」
「……!!」
「可愛い……梅子。もっと、もっと俺欲しがれ。知らないだろ梅子……梅子はな、俺欲しがる程色気付くんだぞ……だから梅子はうんと色気あるんだ。いつも俺誘ってるから、だから色気あるんだ……」
「……、……し、て、来て、入れて、いじって、……いっぱい!!」
「真っピンクだよ梅子……梅子そのものだ……」
「……、……せいじ、……も、も、……お願い!!」

梅子

 気が付くと腕枕。これが日常。
 夕べはうんと焦らされて、ずっと泣いてて、──なんか目、腫れぼったい。
 ──やっぱり、──やっぱり焦らされるの厭──。せいじ、せいじお願い、分かってるでしょう、せいじ、焦らさないで、お願い──。
「……泣くな」
「──」
「梅子、頼む、……泣くな」
「──」
「……ごめん、俺夕べ、……わざと焦らした。ごめん。その、……梅子、頼む。電話、梅子からきるな……一緒にイこ、……な」
 くちでお返事出来なくて、頷いた。
「……また俺、言い過ぎた。梅子、……誘って。いいから、……な」
 頷いた。どうしよう、全然止まってくれない……。
「梅子、……最近うんと泣き虫になったぞ。……梅子、もう泣くな……」
「──」
「よし、じゃあ……泣き止むまで、……俺、うたう。聴いて、梅子」
 頷いて、それから──耳元で、囁くように甘い、歌声──。

斉志

 日付けが変わる前に寝かせていたが、梅子泣き過ぎて目の周りが赤く腫れていた。
 歌声に安心して、ふたたび眠る梅子。起こさぬようベッドを出て、シャワーを軽く浴び、着替えて歯を磨く。梅子が俺の後ろからぎゅっと抱き締めてくれるのを待ちながら朝食の支度を。
 浴室から出て来た梅子が来る。とてとてと音がする。いいにおいが近付いて、温かい風が巻かれて、梅子が俺に抱き着く。ぎゅっと。安心、すき、そう全身で語りながら。
「梅子。おはよう」
「うん、斉志。おはよう。いいにおい」
「梅子もいいにおい」
「斉志もいいにおい」
「そう?」
「うん。いいにおい。安心する」
「そう、か」
「うん」
 梅子俺の背中にすりすりして、躯を預けて来る。……梅子遠慮、無くなって来た。
 一緒に朝食をつくる。共同作業。料理の手順など言わずとも、俺が次になにをするか梅子だけが知っている。なんていい。一緒に皿をテーブルに並べて、俺が先に座る。梅子はエプロンを外して、……だがその場に留まって、うんと照れる。
「……あの」
「来いよ、梅子」
 うんと照れる梅子。
「来て、梅子。……下、脱いで」
 照れて照れて照れまくって……ゆっくり、俺の目の前で脱ぐ梅子。
「焦らさない。梅子、俺のも脱がせて」
 真っ赤になって、俺の下に手を掛ける梅子。少し腰浮かして……
「いいよ梅子、前でも後ろでも……。梅子が、……して」
 前。
「口移しがイイ?」
「……ぅん」
「後ろ、……は?」
「すき……。あの、いま、もう、お箸持てないせいじ……食べさせて……」
「うん。俺がいないと駄目だもんな梅子……」
「うん、斉志……も、も……いっぱいたべたい……」
「なにを……?」
「せいじ、せいじたべたい、せいじのごはん、せいじ、……たべたい……」
「うん、いっぱい食わす……だから、……な?」
「うん……」
 ゆっくり、俺を埋める梅子。体重を掛け、俺を根元まで咥える梅子。……熱ィ。
 濡れた瞳で俺を誘う、濡れた声で俺を締める。
「……梅、子、飯時は……、飯時だけ締めるな、俺も飯時だけ突かないから、……な」
「……ぅ、……ン」
「くち、……あけて……」
「……ゥ、……ん」
「食って……」
「……ぅ、……ん」
 口移しだと……。
『……ン』
 すぐ舌絡めて、貪る、……だからもう俺と梅子、お互い本音が条件反射、同時に腰、動かして……。

梅子

 あれから意識ほとんどなくて、でも斉志の熱い舌で食べさせて貰って……も、なんでもかんでもとろけてる、わたし。いってらっしゃいって言った記憶があやふやで、その後しばらくふとんにくるまってうとうとしてた。
 十時過ぎにこんじょうで起きまして。ぅぅ、なんってこの星一番のぐーたら女房っぷりでしょう……。急いでおふとん寝室へ戻して、さっさか、……とはいかないんですよ未だに。おうちのお掃除に取り掛かりました。これ、朝ちゃんと斉志のこと送った後すぐやらないと、お昼までに全部おわらないんですよ、未だに……。なっっさけない……おまけに受かったってあの日から、わたしさぼりまくりです修業。い、いけないいけない。
 だからこんじょうで、というよりわたしだって集中です! 大、なんて未だに付けられないけどそんなこと言い続けちゃいけません! これは区別なのです!
 と言って昨日、ああだったので……。
 どう誘おうかなー。えっとー。
 ……。
 わたし。誘おうと意識して誘ったこと、ない。
 ……。
 どうも斉志はわたしのやることなすことお誘い行為と思っているようだけど、ほんとにただそうしているだけなんだけどなー。
 ひょっとしてわたし。
 ……考え無し?
 ……。
 ……。
 ……なんっっっっっっっっっってわたしらしい文字でしょう……わたしの辞書、こればっかりだと思う……。
 もうすぐお昼、お電話が来る。
 もぉこうなったら出たとこ勝負です。いつもです。ええ、わたしらしく行きます。うめこの意志ですーーー。うめこの意志は考え無しなのですーーー。
 なんって開き直りっぷりなんだろう。これは斉志よりすごいかも。
 ……こんなので勝ったって全っっっ然嬉しくない……。
 白電話の音がする。
「はい! 成田です! 斉志好き!」
「うん、梅子。好きだ。……随分勢いあるな」
「だって好きだもん!」
「そうか。俺も。梅子、好きだ」
「うん!」
「いまなにしてる?」
「これからお昼です! あ、せいじ」
「うん?」
「ロフトで食べちゃ駄目?」
「そりゃいいけどな。……梅子ロフト、……そんなに好き?」
「斉志がいるところが好き!」←ふんぞり返って言っている
「……」←舞い上がり
「今日はどんな格好で出迎えてあげる?」
「……すっぽんぽんは、寒いから駄目だ」
「うん」
「ボンテージは、……俺が着せる」
「うん」←どんなのだっけ
「梅子が選んで」
「そぉ?」
「うん。梅子びっくり箱だからな、俺、愉しみにしてる」
「うん! そうする!」←アレにしようと思っている
「……その」
「うん、せいじ。おうち帰ったらうんと食べる!」
「……うん」←舞い上がり
「せいじがわたしの髪にちゅーするのも、すき!」
「……うん」←舞い上がり
「待ってるから。あ、でも、学生さんの、えっと、今就職時期というか、間近だから、なにかこう、お付き合いとか多いでしょう? ちゃんと行ってね。待ってるから。ね、斉志!」
「……うん」←舞い上がり
 よしっと。さあこれから気合いでごはんです! 気合いで歯磨き……しちゃいけません、お白州です。気を抜いて歯磨きです。それから料理の研究です! 全然追い付いてないんだから、でも絶ーーーーーーっ対追い抜いてやるんだから! いまは斉志学生さんでお時間たっっっっっっぷりあるひとだけど!! お仕事はそうではありません! そこでわたしが研究に研究を重ねまくり!
 ……でも斉志を追い抜くっていうのは、誰の辞書にもないと思うけど。
 そんなことばっかり言ってはいけません! 成せば成る! たぶん。
 入念にお風呂に入りまして。あれ、を着ます。
 ふっふっふ。実は。着てみたかったのだ、これ。事前のお許しを頂戴したからにはいいでしょう、間違いなく。駄目って言われても開き直って着ちゃったもん!
 下は、穿かないで。だって穿くとすっ転びます。まえに斉志の目の前ですっ転んだら即悶絶、挙げ句斉志に、俺、俺徹夜で看病する、大学さぼるっていつの間にかいた病院で泣きながら言われ続けたから、こーーーんな、なっがーーーいサイズのズボンなんてもう穿きません。上着もぶっかぶか過ぎて却下です。でもスリップは着けた。……なんとなく。くつ、は履かないでおこう、おうちの中だもん。このあいだはいつの間にか締めて貰ったけど。久々に、自分でしてみた。うん、なんか気合い、入る。入学式の朝を思い出す。今までとは違う制服、違う環境。どんなとこなのかな、高校って。そう思った七年前。
 ……すぐ襟首掴まれちゃったなー。あ、あのときはちょっとくるしかったですよ斉志。でももう過ぎたことです。あれもいい思い出。にしてしまえーーー。
 斉志はうめこびっくり箱ー、って言ってたけど。これ見たらどーんなお顔、するのかな。格好よくってきりっとしていて。いつもいつも見惚れる、わたしの考え全部筒抜けな旦那様は。

斉志

 確かに梅子の言う通り、その手の勧誘が無い事は無い。とは言え、そろそろ連中も聖域にちょっかいを出すということは、そっくり同じではとても済まん俺流な逆襲をしてくれと言っているようなものだ、と実体験するお年頃だ。大抵は結婚となれば職に就いて数年経ってと考えているようだが安心しろ、一人残らずきっちり丁寧に挨拶して回ってやる。
 多少は純粋に、卒業を目前に仲間うちで集まって飲み会、という話が無い事は無い。だが一つに出るとこっちもそっちもと言われる上、どうせ十中八九遊興絡みと相場は決まっている。そう言えばこの時期西の某大学の某名物男は懐が潤って仕方ないようだが、せいぜい特攻野郎に多少同情する程度だ。
 よって本日もいつものごとく、学業以外でなら来る幾多の勧誘を素通りしていつもの時間に帰った。
 俺のびっくり箱なこの星一番のグータラ女房はさてどんな格好をして出迎えてくれるか。間違いなく、買った新品のものは着ない。かと言って、外出着を着る性分ではない。制服はこのあいだ着せた。詰め襟、かも知れんがこのあいだ俺が着たばかりだ、俺はともかく梅子にしては芸が無い。……芸……芸の肥やし……。
 いかんまさか間違っても名物男が梅子になにかを吹き込みはせん。
 うちの中にある服全種類の組み合わせなんざ考えるまでもないが、さて、梅子はどれとどれを選んで来るか。
 そう思って扉を開けた。
「おかえりなさい、斉志」
「ただいま、……梅、子……」
 白いワイシャツ姿だった。俺のシャツ。ボタン、留めてなくて、俺のネクタイ、緩めに締めてて、なか、シルクのスリップで、……ブラ、してなくて、乳首勃ってて、ガーターで、ストッキング吊ってて、
 ……ショーツ、穿いて、ない。
 濡れ、て……。
 ……。
 上から一気に破いてその場で犯した。
「ァァァァァァ!!」
 入れたまま寝室へ行った。歩く振動で梅子を突き上げる。一旦抜いてベッドへ放り投げ、俺全部脱いでうつぶせにして尻抱え上げて後ろから突いた。ガーターとストッキングだけそのまま、破かず。
 背中にキス、落としまくった。梅子腕で躯支えてなんかいなくて、突っ伏してすぐイった。構わず突いた。感じて意識戻す梅子。それでも背中にキスを、刻印を。力を入れて吸う。その度尻を振る梅子、喘ぐなんてもんじゃない、泣きながら、紡がれる音はもうなんの言葉にもなっていない。俺と梅子の淫らな音。それでも背中を攻め続け、後ろから突き続けた。もう何度イったか梅子は分かっていない、いまイっているのか、そうでないのかの境界線もない。
 キスしてキスしてキスしまくって、吸って吸って吸いまくって突きまくって意識無理矢理戻し続けて一番の弱点を攻め続けた。
 一緒にイこうと正常位でヤった。欲に溺れ狂い尽くす俺と梅子。イってもずっと。
 出し尽くし、覆い被さる。一息ついて抜いた。とぽりと溢れる白濁した液。
 血は出ていない。ズドンでヤる時はいつ出るかと思って……。尻、……指くらいならいいとは思うが、俺、理性……無い、一度でもブチ込んだら間違いなく、……する。梅子、……厭がる、それでも……駄目だ、まず血、出る、痛いのは……俺じゃない。
 梅子の躯にへばり付いた、シャツとスリップの布もどきを取って、ガーターとストッキングを破り取って捨てた。……だっこで風呂へ。
 梅子をさっさか洗う。顔、また腫れて……ずっとシーツに顔押し付けて、ずっと泣いてて、……俺、理性、無い……あんなふうに、泣くのが、見た、……ィ。
 俺、……どこまで狂う……
 梅子、……そしたらもう、俺の、……こと……
 首を振った。さっさか洗って俺もそうして、梅子にシルクの透けていないショーツを。パジャマは上を俺の、下を梅子の穿かせてふとんにくるんで居間のソファへそっとおろして、俺が気合いで料理した。今晩は乗せて食う。
 料理をテーブルに並べても、梅子の意識は戻らなかった。眠っているんじゃない、熟睡でも無い。
 このまま、……体力の差、開いて行って、
 このまま……
「……ん、……」
 気付いたようだ。
 ……駄目だ、気付くのが早い。また梅子だけが震えるのか。真っ青になって、俺だけ独り、……。
「せい、じ……」
「……うん?」
「だっこ……」
「……うん」
 隣に一旦座って、ふとんを剥いた梅子を俺に乗せた。
「……その」
「うん……?」
「俺、の。……こと」
「すき……」
 ……。
「……せいじ?」
「梅子、……気分は、……どう?」
「靄靄……」
「……、……、……具合、……は?」
「……? なぁ……に?」
「具合、……わるくない?」
「うん……」
「その、……躯、……つらくない?」
「うん……」
「……本当?」
「? うん……」
「飯、……食える、か?」
「? うん、……いいにおい……」
「そう、か?」
「うん……お出汁、よく、きいてる……せいじ、お料理の才能もある……」
「……そう、か?」
「うん……食べよう、斉志、あの、あのね……」
「うん、分かってる、俺、箸持つから、梅子、食べて……急がなくていい、ゆっくり食べて、……な」
「……うん……」
 口をちいさく開けて、ゆっくり食う梅子。……ろくに嚼んでいない、胃にただ流し込んでいるだけだ。……いま、考えていること、……まるで分からない。視線、……俺にほとんど合っていない。
 俺にも食えと梅子が言う。ちいさな、……抑揚のない声で。
 食った。食わないと梅子厭がる。味、しない、多分、……梅子も。
 食いおえると梅子が俺からおりて、食器を持って台所へ。……追えなかった。
 洗う音が聞こえる。
 ずっと聞いていた。座ったままでずっと。
 そのまま待っていると、……とてとてと音がして、梅子が俺に抱き着く。後ろから。
「せーいじ。歯、磨こう? あ、わたしが斉志の歯、磨く?」
「……梅子は歯ブラシ、上に持たなくちゃいけないだろ。腕、疲れるぞ」
「座ってとかー。あ、斉志、歯並びきれい。虫歯もないよね」
「それは梅子もだろ」
「そうかな」
「梅子は子供の頃、甘菓子とか、食ってなかったのか」
「うん。あ、でも果物とかはよく。ばくばく食べてた」
「そう、か」
「行こ、斉志。ほーら」
 梅子が俺の腕を引く。これでほんとに力を入れているのか? なにを思いっきりされても、全然……。
 ……梅子に腕を攫まれたから、ソファを跨いでついて行ったら、
「ぅぅー……」
「……なんだその、……唸ってるみたいなぅぅは」
「あし、長い! わたしソファ、そういうふうに出来ない!」
「……あのな。そりゃ、……俺に胸でかくなれと言ってるようなもんだぞ」
「なられたら困るもん」
「……俺だってだ。させるな」
「なんかへんな話になってる、斉志」
「……そうだな」
 一緒に歯を磨いた。磨きおえ、梅子のくち、拭いて……そのまま額にちゅーした。
「今日はもう寝ろ、梅子」
「……あの」
「ああ、飯の下ごしらえか。うん、それはいい。それおわったらすぐ寝て。……な」
「……」
「俺は大集中だ。いいな」
「斉志」
「……うん?」
 何か言いたいことがあるのか。珍しい、いや、初めてだ。俺が大集中と言えば梅子は一も二もなく納得する。安心、そういう笑みさえ浮かべて。
「ちょっと訊きたいことがあるの」
 ……?
「十分ぐらいで済むと思うから」
 ……?
「来て、斉志」
 ……まるで、分からない。
 梅子が俺の腕を攫んで居間へと向かう。ソファを跨ぐことはせず、前に回って俺に座れと促し、俺に乗って俺の首に腕を回す。
 全く分からなかった。
 俺を見る梅子。日常の、誘う表情じゃない。だが俺には見せない表情でもない。ただ、……分からない。
「あのね。今更へんなこと聞くけど、入学式の次の週の月曜日、わたし斉志がF組の教室へ来るもんだー、と思ってたの。来たらおしりぺんぺんなことわたし言っちゃったかも、っていうか確実に言っちゃったから、そのー、なんだけど。
 訊いたって、いまが変わるわけじゃないけど……。なんとなく、思ったので」
 ……。
「へんなこと訊いちゃった。ごめんなさい。えっと、大集中だもんね。うん、分かった。わたし明日の支度するね」
 ……。
「斉志」
「……な、に」
「怒ってるでしょう」
「……なに、に」
「今更こんなこと聞くわたしのこと」
「……怒っては、いない」
「そぉ?」
「……ああ」
「よかった」
 全くわからなかった。聞いても意味のない話だ。というより、……ほとんど詮索だ。
 俺からおりて、台所へ向かう梅子の腕を今度は俺が攫んで、乗せず押し倒した。覆い被さる俺を見る梅子の目は、……さっきと同じ、……冷静な瞳、だった。
 そんな瞳のまま、笑顔を、……作る、梅子。
「どうしたの? 斉志」
 ……。
「せーいじ」
 ……。
「せーいじ」
 ……。
「斉志ったら」
 俺のほっぺ、……両手で包んで、それでも、……変わらない表情。
「せいじ?」
 ……。
「どうしたのー……」
 ……。
「むー。もう、無言は却下!」
 ……。
「いま、ちょっとこわい顔してるって、気付いてるでしょう斉志」
 ……。
「好きだもーんだ」
 ……。
「斉志、好き!」
 ……。
「もーうー。そんなこわい顔、しないでー、ったら! ほら! どうしたの? この星一番のぼんくら亭主ー」
 ……。
「むー。どうしてこの星一番のぐーたら女房って言ってくれないかな」
 ……。
「せーいじ」
 ……。
「せーいじ」
 ……。
「せーいじ」
 ……。
「いいもーんだ、無視されてもわたし、斉志のこと追い掛けるもん! 押し倒しちゃおっかな。……あれー、でもこの体勢からどうやって押し倒し返しするものなのかな……。いっか、やってみようっと。えい」
 ……。
「むー。少しくらい動いてくれたって……。あ、でも動くってことは床にごろんと転がるってことだもんね。それはいたいか。うーん、どうしよう」
 ……。
「せーいじ」
 ……。
「好き!」
 ……。
「あのね、斉志。わたし斉志の名前、好き。かっこいいもん。成田斉志、って言うでしょう。格好いいの。うんときれいで、よく徹る低い声で。誰も敵わない、そう宣言しているように聞こえるの。格好いい」
 ……。
「ききたい」
 ……。
「言って」
 ……。
「ききたーーーい」
 ……。
「わたしに宣言して、斉志」
 ……。
「もう一度」
 ……。
「あんなふうに」
 ……。
「来いよ、成田斉志」
 ……俺の……。
「遥か前を行くのは」
「……?」
 梅子だけだ。
「置いて行かれたんじゃない」
「……?」
 俺が追い付いていないだけだ。
「だから」
「……?」
 なにも出来なかった。
「ただ立ちすくんで」
「……?」
「梅子」
「うん?」
「俺は」
「うん」
「絶対に」
「うん」
「追い付くからな」
「? うん」
「見てろよ。絶対に追い付く」
 二親から貰った体力にものを言わせて何になる。
「梅子」
「うん?」
「俺のどこがいい」
「全部」
「俺のどこがよくない」
「? そんなのない」
「あるだろ」
「ないもん」
「ある。言え」
「ないもん」
「言え。梅子は?」
「斉志の。……でもないものはないもん」
「ある。いいから言え。……直す」
「ないったら」
「ある」
「じゃあ、斉志は自分であると思う?」
「ありまくりだ」
「例えば?」
「……ヤりまくりのボンクラ亭主」
「この星一番のぼんくら亭主です、言い直し!」
「……梅子ヤって出して鬱憤晴らしして風呂入って食って寝て梅子に惚れるしか脳の無いこの星一番のばかでボンクラな亭主」
「じゃあ、えっとー。斉志として、出、……ぅぅ、だしてー、修業してお風呂入って食べてお寝むして、せいじに惚れるしか脳のないこの星一番のばかはわたしですでぐーたらな女房」
「……あのな」
「斉志。ばか、でわたしに勝てるなんて思わないでね」
「……なんだと」
「おはかに入っても勝てないから、斉志」
「いま何と言った」
「この星一番のばかはわたしだから。わたしを差し置いて勝手に名乗らないで」
「……むー」
「なんで、むー。斉志はおはかに入ってもわたしに敵いません!」
「……思わずそうだなと言いたくなったぞ梅子。俺は梅子に敵わんが残念だったな、俺がばかだ。こればっかりは、梅子は俺に敵わん」
「あのね斉志。どこをどうしたら斉志がばかなの」
「それは梅子だけが知っている」
「そうだけど」
「あのな梅子」
「うん?」
「なんでこんな話になっているんだ」
「あ、そうだ。時間ー。斉志、時計見せて」
「……ほら」
「うん、十分くらい。はい、時間となりました。斉志、鬱憤晴らし、して」
「……」
「無言は却下。あのね斉志、どうしたのさっき。うーんとこわい顔、して」
「それは梅子もだ」
「そんなことない」
「ある。俺はさっき、梅子がなにを考えているのか分からなかったぞ」
「わたし、なにも抱えてないもん。斉志に全部言ってるもん。言ったもん」
「さっきのは梅子らしくないぞ。詮索じゃないか」
「思ったこと言ったんだもん。斉志、答えなくていいからね。言わせたら、それは確かに詮索でしょう」
「そりゃ、……確かに」
「でしょう?」
「うん」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「なんだ」
「別に」
「別にとはなんだ」
「なんでもない」
「なんでもないとはなんだ。考えたこと全部言えと言ったろ」
「ぅぅ」
「なんで、ぅぅ」
「もう分かってると思うけど」
「言う」
「おしりぺんぺんされそう」
「してやる。言え」
「斉志。わたしがじゃあね、って言うと怒るでしょう」
「怒る」
「でもね」
「なんだ」
「さっきからね。もうそろそろ、斉志は鬱憤晴らし、わたしは修業、してもいいんじゃないでしょうか」
「そう思わんでもない」
「それをわたしから言うとおしりぺんぺんでしょう」
「そうだ」
「ということは、斉志が言ってくれると嬉しいんだけどな」
「なる程。確かに」
「うん」
「そうだな」
「うん」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「あの」
「うん」
「せーいじ」
「うん」
「せーいじ」
「うん」
「せー、いー、じ」
「うん。言いたくない」
「あのー……」
「ヤりたい」
「……」
「無言は却下」
「むー」
「今、ぅぅも却下と言われるのを見越して言ったな」
「うん」
「そうか。なら尻ペンペンだ」
「どこからそういう発想が……」
「なんでヤりたいと言って、無言」
「さっきもう寝ろって……」
「梅子イかせてからに決まってるだろ」
「さっきはそういう口調じゃあ……」
「さっきはさっきだ。……梅子。いま、最近そういうのが多いなと思っただろ」
「……思いました。もう、分かっているじゃない……」
「いまは分かった。さっきはわからん。なにを考えた」
「考えたことずっと言ってるのに斉志無視してー、と思ってた」
「怒っただろ」
「なにを?」
「ヤったの」
「どうして」
「……」
「どうして」
「……」
「こたーえて」
「……」
「また無言……。そりゃ、おれもするけどな……」
「なんで俺の口調」
「こういうとき斉志いつもこう言うもん」
「……確かに」
「どうして怒ったって思ったの。無言は却下! 思ったこと言って! お願い! 我が儘!」
「……俺の台詞全部取るな。……怒ったって思うだろ。ヤりまくった。顔、ずっとシーツに押し付けさせた。泣くの、……見て、……もっと泣けと思った。……そう思ったの分かってただろ梅子」
「なにされてもいいって言ったもん」
「なんでそんなことが言える」
「好きだから」
「俺のどこが駄目だ」
「むー、そう来たか……。うーんと。……あのねえ斉志。わたしは、斉志のやることなすこと全部好きなんです! ずっと見ていたいの! ずっと一緒にいたいの」
「……なんで」
「俺はうめこに全部晒す、うめこだけが見る、全部惚れてって斉志言ったでしょう」
「それは俺の命令だ。梅子の意志で、……でないと駄目だ」
「わたしの意志だもーん。せーいじ。信じて?」
「……」
「わたしなんかうんと信じちゃってるもん。斉志はわたしだけだー、って。斉志はわたしのやることなすことぜんぶぜんぶぜーーーーーーんぶ惚れまくってるんだもん!」
「そうだ」
「じゃあ信じて」
「……」
「どうして怒ったって思ったの」
「さっき言った」
「そう。じゃあ、して」
「……」
「そう、無言なんだ。じゃあベッドで待ってるから。すっぽんぽんで待っちゃうもん。あ、脱ぎながら行こうっと。じゃあね斉志」
 と言って組み伏せた俺から梅子が逃げられるわけがない。ベッドまでなど我慢出来ん、当然その場でヤりまくった。
 だが。
 俺は躯で言わされた。梅子は俺を信じている、こんなんな俺が全部好きだ、うんと惚れてる狂って溺れてアイシテル、逃げる離れるその他なにそれ、俺に頼って甘えて我が儘お願い言いまくり、ずっとずっとずっとずーーーっと俺だけを待っている、俺だけしか見ん、俺がいないと途端駄目になる、俺だけが必要だ、俺がナニをしてもナニをヤってもどれだけ狂いまくっても梅子は俺がいいと躯で言わされた。
 ……。
 ただし生理中は風呂もヤるも駄目。尻がどうのと思ったな、そんなことしたらどうなるか分かってるのかー、ヘン、この星の二番以下め! と言ってイかせて泣かせて顔腫らせてヤる!
 と、躯で教わった。
 ……。
 俺は墓に入っても梅子に敵わん……。

 朝、感じて目が覚める。そこ、熱ィ。思わず右手が条件反射、梅子の頭俺に引き寄せ喉の奥まで俺だらけに。途端、ぅっと声を出す梅子。呼吸させる為すぐ手を緩める。舌の先で俺舐めとる……ィ、きそ……。
 真っ白になりかける。だから言う、
「来いよ、梅子……」
 うん、と梅子が俺厭々離して尻を向ける。その間一息ついて、梅子が俺の真ん前に来るのを待つ。……俺の。やわらかくてなめらかでむっちりした太ももを鷲掴み。目の前には濡れまくりの真っピンク、むしゃぶりつく。尻撫でまくって舌で犯して指で弄って、ぴくぴくイく梅子。俺の、俺の、俺の梅子、梅子舌使い上手くなって、俺の弱点どこか知ってて、俺イきそうで、も、も飲んで梅子……舌、入れ、たィ……。
 ……そうしたらどうなるか、頭の中で下らん考えが瞬時に過る。……止めた。なにがなんとか頭脳だ実に下らん。
 狂って、……それでも梅子ついてきてくれるか、なんざ……びびりながら顔色伺って何になる。
 梅子にとける、梅子に惚ける。……それでいい。
 舌と指同時になか入れて、先イかせてヤろうとぐっちゅぐちゅに。こうなるともう梅子舌解いて、俺扱く両手に力入って、そ、んなに、……握るな……喘ぎ声、じゅぶじゅぶ出る、熱ィ、血、集まる、
「も、……出る、梅子……」
「ぅ、ン、……イこ……」
『う、ん……』
 同時に名を呼ぶとき、……ちゅーは、した。

 朝っぱらからヤりまくりの為俺も梅子も早起きだ。職に就いたら時間を何ひとつ一定に出来んが、そうなればむしろ梅子の方がよく分かっている。俺について来て、……いや、俺と時間を無理矢理合わさす。ただし夜更かしはさせん。休みの前後は飯時以外一日中ぐーたら昼寝だ梅子。
 梅子担いで指突っ込んで、脱衣場で後ろからヤって、意識引き戻してシャワーを浴びる。そこではヤらず、躯を洗い合う。梅子が俺の髪を洗ってくれる。
 湯船に入って梅子を俺に乗せもせず、向かい合って座った。珍しくヤらなかったら梅子が驚いていた。
 その様子を見ていると、……湯当たりじゃなく、真っ赤になる梅子。
「……どうした?」
「え? えっと、……み、見詰められるとその、恥ずかしいと言いますか……」
「いつもだろ……」
「う、うん、そうなんだけど、……もう、斉志、……そういう目、うんといろっぽいって自覚ある?」
「ある。俺はいま梅子を誘っている。いつ俺のとこに来て、俺跨いで咥えて腰振り尽くしてくれるか期待しながら誘っている」
「……、……」
「当然飯時もヤるからな」
「……、……」
「梅子の、……勃ってるんだぞ。俺ので、……食って」
「……、……」
「うんと締めて……梅子の、……イかせて……」
 梅子が、おいでポーズしながら湯をざぶざぶ、寄って来て、近付いて、俺の髪にちゅーして首に腕回して、腰おろして……。

 同時にイって湯船を上がって、梅子さっさか拭いて俺もそうして、揃いの部屋着を。籐の背もたれ付き椅子に座らせ準備完了でちゅー起こし。
「梅子。おはよう」
「ぁ、……うん、せいじ、おはよう……」
「飯。作れる……か?」
「えっと、うん、だいじょうぶ」
「じゃあ、俺居間で待ってる」
「え……」
「職に就いたらこうなる」
「そう、……なの?」
「そうだ。仕事は職場で。そうだろ」
「う、ん……」
「それ以外はうちでする。いいな梅子」
「うん! じゃあわたし、なにか飲み物……あ、せいじ、なにがいい?」
「お茶で」
「うん!」
 梅子は台所へ、俺は居間を通り過ぎ、一旦扉から出て新聞を取って戻る。俺が手にいくつもの新聞を持っているのを見て、茶をいれた梅子がまた驚いている。が、すぐ穏やかな表情になって、テーブルにそっと夫婦湯飲みを置いて台所へ。
 いいにおいがするなか、茶を飲んで新聞を。こんなもんはとっとと読みおえられるが梅子が調理しおえるまでちんたら捲る。読み終えたら当然梅子の目になど触れさせん。
 梅子が皿を運んで来る。扉脇のテーブルへ新聞を置きに行った。ソファへ戻ったところで梅子がエプロンを脱ぐ。俺が先に座っておいでポーズ。梅子が照れながら俺に乗る。
「いただきます、梅子」
「いただきます、斉志」
 箸を持つ余裕のある梅子。俺にも梅子にも食わせて、半分くらい食ったあたりで梅子の下に手突っ込んで指突っ込んで弄って掻き回す。
「ぁ、……ン」
 箸を取り落としそうになる梅子。
「ちゃんと持て梅子」
「う、……ン」
 片手で胸、揉みしだく。もう梅子は両目ぎゅっと瞑って喘ぎ声。
「た、……べる……は、し、ちゃんと持つ……もん」
 俺に蹂躙されながらこんじょうで箸を落とさない。
「そうだ、梅子。ほら、俺食ってないぞ。食わせろ」
「う、……ん」
 あやうい手付きで飯を俺の口元に運ぶ梅子。感じまくりの濡れた瞳。これが日常。
「梅子も食え……」
「ぅ、……ん」
 なんとか食べる梅子。箸を運んでいる時は手を止めてやる。
「ほら……」
「ぅ、……ん」
「がんばる……」
「ぅ、……ん」
「も少し……」
「ぅ、ん……」
「美味しい、梅子……梅子だって、……料理の才能ある、ぞ?」
「……ほんと、に?」
「うん、ある……」
「よか、っタ……」
「一緒に食おうな梅子……上も、下も……」
「うん、たべる、たべ、たい……」
「じゃあ……」
 箸、一旦置いて、梅子が脱いで俺のも脱がせて、……今度は後ろから。
「俺、箸持つ……」
「ぅ、……ん」
 俺を埋める梅子。ふりふりの尻、脚おっ広げて俺咥える。弱点の背中を晒して、俺が視姦するだけでぴくぴくイきかける。なか、……蠢く。
「食って……」
「ぅ、ん……」
「あ~ん……」
「あ……む」
「俺も、食う……」
「うん……せいじ……」
「……うん?」
「言って、……ィィ?」
「いいよ……?」
「……、……お、……っきぃ」
「……それで?」
「あ、……っつい……」
「それで?」
「ふと、……い」
「それで?」
「……奥、……まで……」
「うん……。食う、ほら……上も食え……」
「う、……ん……」
 俺と梅子、忍耐でも無く食い切った途端腰を動かす。互いに叩き付けて。タイミングなんざ日常、躯でこころで全部感じ尽くしている。胸鷲掴みして背中にちゅーしながら突き上げて梅子の淫らで上気しまくった喘ぎ声聞きながら同時にイった。

 梅子の歯を磨いて俺もそうして梅子と風呂へ。軽くシャワー浴びて梅子さっさか拭いて俺もそうして、梅子は部屋着だが俺はすっぽんぽん、俺が着替え中照れるところが見たくてちゅーで起こす。梅子に俺の着替えを手伝わせる。
「まさか俺のシャツを着るとは思わなかった」
「そ、そう?」
「うん。あのな梅子」
「うん?」

梅子

 お白州です。
 ──このまま行ったら俺はうち中の服を破きます。よって出迎えは部屋着で行うように。コスプレは俺が梅子に着せるか俺が着なさいと梅子の目の前で言った時以外しちゃ駄目です。この研究および修業はしないこと。でないと俺が完敗です。
 ……。
 そうですか……。
 したことないですよ斉志……。