五月十七日 金曜日

 本日は合同祭第二回組別全体会合、です。
 E高で行われる今日は、二番駅から四番駅へ。それから歩いて。一番駅からA高ほどの距離はないけれど。
 はじめて行くE高では、今日は最初から成田くんにだっこされています(……)。
 ここE高の見取り図は分かりやすい。校舎一個、向かって右に体育館一個。
 そしてなんと言っても大の特徴が、校庭の先が浜辺だということです!
 これはすごい! すごーーーい!!
 もしわたしがB市のひとなら高校は絶対E高にするのにな。そう思えるくらいの抜群のロケーション。なんて気持ちいいんだろう!
 わたしは、これから校庭へ行かなくてはならないというのに、逆方向の海の向こうへワーイと言いながら走って行きたかった。
 けど。
「おいバカウメコ。どこを見ているんだよ。あたしは今年あんたと同じミニサッカーを選択したと言っただろ? 余所見していないで、ホレ行く」
 成田くん曰く、厭々だっこから下ろしてもらって、わたしは明美と共に校庭の、決められた位置へと向かった。ああ、浜辺さんーー行きたいなーーー。
 わたしの浜辺へ行きたい欲を置いておくと、さて実地です。ということは、今年もいます指南役。
「俺はA高二年B組、井上知治。さあ始めるぞ」
 まるでさっさとおわらせようと言わんばかりに名乗って指南役を開始するひとへ、わたし達は声を合わせて言った。
『よろしくお願いします、サッカー部くん!』
 サッカー部くんは、照れているのではなくぼそっと言った。
「だから井上だっつってんだろうが……」
 ミニサッカーは実地も説明も去年やっている。だからこれはひとまず省略して、いざ実践、と相成った。Bチームとちょっとした紅白戦。
「あたしは今年、同じ学校の元サッカー部員に教えて貰って特訓して来たぜ! 優勝はあたしのもんだ!」
 と叫びながら嬉々としてサッカーにいそしむ我が親友、明美さん。ソウデスカ……。一度でいいから言ってみたい……。
 明美は、どぅりゃー、とか言いながら、短時間の紅白戦だというのに三点も叩き出した。サッカー部くん曰く、ハットトリックというのだそう。
「大したもんじゃねえか。あんたが男だったら、今すぐ俺の部に勧誘してやるよ」
 とサッカー部くんが言うほど、わたしの目にも明美は相当特訓をして来たようだった。うーん、すごいっ!
「ふっ、まあな。せっかくサッカー部君が教えてくれたことだし?」
「井上だっつの」
「今年はあたしらが優勝だ! ミンナ、やるぜ!!」
 明美がAチームを鼓舞すると、みんなそうだそうだと声を揃えた。

五月十七日 金曜日 放課後

 本日は第三回雑談運営会議、です。A高の、マイコン部(仮)で行われております。
「そんなにE高が良かったか? 梅子」
 わたしはいつものごとく成田くんに乗って(……)の参加です。
「うん、もしわたしがB市のひとだったら、間違いなく入っていた」
「まさか偏差値が低いからとか言うんじゃないだろうな」
 明美さんからの鋭いご指摘。うーん、ちょっと答えづらいっ。
「いえあのその……。うちから一番近い普通科、というのが条件だったので、それでA高にしたの。他意はないから。ほんとに。あははははっ」
「なんだよその乾いた笑いは……悪かったな、アタマの悪いD高でよ」
「け、けど明美、ほら、お祭りはそういうの関係ないでしょう?」
「そりゃそうだけどよ」
 明美はまだまだ承服しかねる模様。ぅぅ。
「気にするな佐々木。梅子がE高へ行ったのなら、俺も行っていた」
「あんたにゃ訊いていないよ。ところでウメコ。今年はちゃんとコロコロしろよ。全く、今日もグラウンド外に待避しやがって」
 そうです、わたしは去年と同様、あまりにも内容がよろしくなかったので、早々に退場してしまったのです……。
「まさか自分はずっとホケツで、試合に出ませんでハイ終了、になんかなると思うなよ」
 ううっ、鋭いっ!
「佐々木。そう梅子を追いつめるな。楽しくお祭り、お前がそう言っただろう」
「まあな。それじゃ今日のところはこれまでにしておいてやるぜ。楽しく転がりなウメコ。タッチ交代はなしだからな」
 厳しいですよ明美さーん……。
 結局、合同祭まで土曜は遊んで、日曜は成田くんのおうちへ行った。成田くんのおうちでは、合同祭まで全て一回目(……)で、あとは早めに帰してもらった。
 多分、ううん、間違いなく。成田くんは配慮してくれたんだ。去年の西川のように。倒れるな、って。
 けど大丈夫。今年こそ、そんなことないもんね!

五月十八日 土曜日

 中間試験へ向けて勉強。わたしは、西川に部室の鍵を返し、学校がおわったら最初から家へ行って勉強した。試験となるといつも思い出す。中三の一年間。環──。

五月二十八日 水曜日

 やっと試験がおわったぁ!