四月二十一日 日曜日 斉志

 朝九時に迎えに行った。今度はきっちり朝飯を梅子の家でとらせる。先週、早朝から飯も食わず出て行って、ぐったりして帰った娘をおやじさんとおふくろさんはどう思ったか。
 もう二度とあんなヘマはしない。なにせ来週は記念日だ。しかしその次は……。
 いや、考えるのは止そう。とにかく今日。梅子の願いだ、その通りする。今日は二回で止めておこう。

梅子

 お昼を食べたときのわたしの心境。
 もう、勘弁して……。
 というほど。もうじっくり、といいますかなんといいますか……。散々焦らされて。もう何度、来てって言ったか覚えていない。なのに成田くん、まだ駄目、って……。その、その……一緒になってからも、もうその……意識飛びそうなのに、その度、ぬ、抜かれて……。厭、厭って何度も言ってしまって。腰振って……誘ってしまった。いつもの腕を回すのじゃなくて。躯で。
 ……。
 それでお昼。はい・あ~んで。ちゃんと食べた。いつもより多め。そんなに気を遣わなくてもいいのに……。

斉志

 我ながら素晴らしい忍耐力。入れてイくまでの時間をコントロール。その間梅子は喘ぎっぱなし。普段のやわらかい声に甘ったるさが掛かる。俺がなにをしてもその度ぴくぴく反応する。感度よ過ぎだ、焦らすのもいい。梅子が腕だけではなく躯全体で俺を誘う。……そそった。危うくイきかけるが、これぞ忍耐。梅子、なか、熱ィ……。
 今日の昼は押し倒す時間じゃないぞ俺。きっちり飯を食わす。体重の戻らない梅子。元から骨太じゃなかった、痩せてこの通り。それでも豊満な胸。なんとか星人かもしれんな俺。形がよくて、仰向けになってもそのまま、ボリューム満点。揉みしだく。心臓が鳴っている。顔を埋めた。……温かい。

梅子

 お昼をちゃんと食べて。それからお姫さまだっこでベッドへ戻される。はい・あ~んでいつもソファだったのに、ちゃんとベッド……。ダブルベッドの広いシーツの上で、もう散々焦らされて。今日はずっと、顔、合わせるかたちだったんだけど、わたしにそんな余裕はなくて。ちょっとだけ、なんとか薄目を開けると、……成田くん、わたしのこと……ばさばさの長い睫、きりっとした眉、整った顔、引き締まった筋肉、成田くん全部が、言っていた。
 欲しいって。

斉志

 先週梅子から言って来た、意識のある内一緒に風呂をやりたかったがんなこと今やりゃ日暮れ前になど死んでも帰せん。結婚したら毎日だ。厭々今日も悶絶させて風呂に入れた。服を着せて、三時前に目を覚まさせた。今日はバイクで送れるな。
 多分。

梅子

 今日は二回で勘弁して戴きました。アリガトウゴザイマス……。
 いいいつもより密度が、その濃く、て……。腰が……。わたしもう、その……思いっきり振りまくりました。ええ、もういいです……。大丈夫かな、バイク……。

斉志

 梅子が俺の腰に手を回す。何度やってもこの体勢、梅子のでかい胸が押し付けられて、それはいいが……。バイクに乗っても忍耐だ。今日は早めに帰す。なんといっても来週からのゴールデンウィークは……。

梅子

 今日は早めにうちへ帰った。四時前。うちでぐったりするのは絶対駄目。だからちゃんと母ちゃんの手伝いをして、洗濯物を畳んだり、部屋の掃除。夕飯を食べて、お風呂に入って眠った。

四月二十二日 月曜日 梅子

 朝、遅刻ギリギリに教室に滑り込む。成田くんと一緒。
 合同の要綱はすでにわたしの机の上に置いてあった。……よかった。
 それを読みながら、わたしはまたしても決意を新たにするのだった。今年は絶対、ぜーーーーーーーーーーったい、ぶっ倒れないぞ!!
 今日の授業中、成田くんは穏やかだった。爆発的集中力がない。西川もそうだけど、ふたりともちゃんと教科書を開いていたみたい。先生に当てられるとすらすら答えてて。わたしは、なぜかまだ先生に指名されたことがないのだけど。
 放課後、模試の校内結果が教室の後ろに張り出されていた。チラとでも目に入れれば分かる、一番上を。一位、成田。二位、西園寺。
 ほっとした。こうでないと。
 三人して部室へ行く。試験のことはこの部活には関係ない。雑談大会もなし。
 と思っていたけど。
「梅子。俺、今週は分室へ行くから」
 とのこと。
「梅子。俺は間違っても忙しくなんかない。部活がおわったら電話して。一緒に帰ろう」
 一緒とは言っても、下駄箱と分室からバイク置き場と自転車置き場、といったら地理的にわずか五分程度でしかないんですけど……。
 久々に師匠とふたりだけで部活。とはいえ去年前半はずっとそうだったのだし、相手は西川。その背中、あのモニター。部室へ入ってすぐ集中。
 西川は野性味が増すタイプ。だからその集中力も、そう。