十二月十一日 火曜日

 今日はわたしの三者面談の日、です。
 今回の面談、先生は主担。きちんと話すのは部活先がどこか尋ねたあの時以来、久々だった。
 面談時、成績表とともに、文系か理系か、どちらへ行くのか訊かれた。父ちゃんは言った。
「梅子。お前の好きなところへ行け」
 今が一番、楽しい時なんだから。そう、父ちゃんはあの時言ってくれた。後悔のないようにと。
 今回は、成田くんは廊下にいた。わたしの面談がおわるまで。
 わたしは言った。
「理系にします」
 それで面談はおわった。

 父ちゃんと親子二人、教室から廊下へ出ると、成田くんが待っていた。わたしはなにも言わなかったけれど、成田くんは父ちゃんにお久し振りです、とか挨拶していた。
 それから、わたしと成田くんは部活へ。父ちゃんは家へ。それぞれ向かった。
 部室の扉を開けると、西川は既に作業を続けていた。決して邪魔にはならないよう、静かに荷物を置き、椅子を引く。
 それから。
 吸い込まれるように画面を見た。

十二月十三日 木曜日

 A高内で全学年・全クラスの三者面談がきっちりおわった次の日の昼。同校が誇る秀才の面談が行われた。二者でもなければ三者でもなく、場所は職員室ですらなく校長室だった。眼前に、よくも入学式からこの俺を呼び付けやがってこの野郎な人物を座らせもせず睨み付け、背後に理系な教師ども(約一名・熊谷を除く)及び一年F組担当の教師二名の雁首を並べさせ、彼は得意技・無言で脅しを披露する。間違っても誘うがどうの、ではない。それが具体的には何であるか、校長室と呼ばれる校内でもっとも豪奢な一室から出た一名を除く誰もがその身の髄まで分からされていた。