四月二十九日 日曜日

 木曜日、家へ帰って。親子でいつもの通りご飯を食べてお風呂に入ったあと部屋に戻ったあたりで、はかったように携帯へ電話が入った。相手は勿論成田くん。
 けどね、第一声が「梅子、生理おわるのいつ?」はないでしょう!? 思わず土曜と答えてしまいましたよ……。

 そして今日、日曜日。
 今日まで、成田くんには待ってもらった。躯、無理しないで、俺無茶しないから、梅子の厭がることしないから。そう言って。
 朝ご飯を食べて家を出て、二番駅までバスで。成田くんに駅まで迎えに来てもらって。ふたりで三番駅まで電車で。
 成田くんの家へ行って。ずっと手を繋いで。
 こんどは朝で、おうちのなかは明るい。
 ちゃんと玄関で靴を脱いだ。けどすっきりと片付けられた普通の家、と思う間もなく。
「大切にする」
 そう言われて。
 全部、成田くんにあげました。

 おじゃまします、と言っても、応える相手は成田くんしかいなかった。
 成田くんはお父さんと二人で住んでいるけど、ご職業が遠洋漁業なので普段はおうちにいない。生まれてこのかた、この家ではほとんど一人だったそうだ。
 三軒先に近海漁業の幼馴染みの家があって、その子とは生まれた日が近く、向こうも物心つく前から母親のいない家庭だった。お互い双児とばかり思っていた。その子のお父さんが父親だと、当然のように思っていた。大きくなって、なぜその子の家とは別の家で寝泊まりしなくてはいけないのか分からなかった。
 その別の家、つまりここへふらりとやってきた、見知らぬおじさんが本当の父親だった。そのひとが、義務教育がおわったら自分と一緒に遠洋に出るか、それとも進学するなら大学は東大以外許さない。どちらかを選べ。そう言ったという。
 ちょうどIQテストが行われた歳のこと。
“俺は進学すると言った。それだけだ、梅子”

 おっきくて温かい手で左手を握られたまま、多分このあいだの部屋と思われるところへ一緒に行く。扉は閉めない。奥の部屋にもやわらかい陽の光が届いている。キスをした。恥ずかしいとか、そういう感覚はなくて、ゆっくりと服を脱がされていく。息が、熱い。
 このあいだはなにもかも性急だったけれど、今日は違った。ゆっくりと、わたしを落ち着かせてくれている、というのが分かる。
 大丈夫、……斉志。
「梅子」
 首の、鎖骨あたりを吸われて、きつく吸われて、もう躯がしびれて立っていられない。ゆっくりベッドサイドへ腰を下ろしてもらう。その前に、もうわたしの穿いていたスカートも、ショーツも脱がされている。
 おしりで、直にぺたんとベッドに座る。キスは断続的にしたまま。ついばむように、ではなくてお互い、吸い付きそうに、けれど吸い付くことはしないで、なのに唾液まで絡めたキス。
 舌を嘗めあうキス。
 うっすらと目を開ける。今日も成田くんは眼鏡をしていなかった。瞳がうるんでいる。それで奥底まで覗かれる。
 ブラ以外、もう身に着けているものはなにもない。
 多分成田くんが自分の着ている服を脱いでいる音。この間はついばむキス。うっとりして、手をだらんと下げたままされるまま。
 そして押し倒される……その前に、ブラのホックに成田くんの手がかかった。右手、の……
「ひゃぁうんッっ!!」
「……梅子?」
 え。なに。背中?
 せなか……触れられただけなのに。ホックを外すために回された指が掠った、だけ。なのになにかが体のなかを走った。
「あ……ひょっとして」
「あッあッあッあッあッあッあッあッあッあッあッあッ」
 成田くんが、まるで試すようにわたしの背中をふれる。指先で、ほんのわずか触れる。それを断続的に繰り返す。その度に声が出る。
 繰り返されただけなのに、なぞられたわけでもない、くすぐられたわけでもない。
「うッぁッン! あッあッぁン! あ・ぁぁぁぁぁああ!!」
 思わず躯を捩る。厭々って首、肩から振って。
 なにか得体の知れない衝撃が間断なく、躯の中に疼いて湧く。どんどんと出てくる。熱い。
 いままでこんなことない、知らない、背中なんてお風呂に入るたびに洗って流すのに、ホックなんて何度掛けたの、外したの? このあいだだって触れられて……
 もうわけが分からない。ゆびで、成田くんのゆびがわたしに触れるとそれだけで背中と、まるで関係ない筈のおなかのした……そこがじんじんする。
 理由なんか分からない。もう耐えられない。もう漏れ出していた。こんな、どこから来るのか分からない甘い声も。なぜ流れ出すのか分からない、そこからの……ものも。じくじく、する。
「……弱点?」
 成田くんの声が首のうしろで聞こえる。引き締まった胸板がわたしの、外されないブラ越しに押し付けられ、筋のついた腕の、大きな両手はもう、わたしの乳房にも、腰にもふとももにもない。
「あッ……ぁッ、ン……ッ、ッ、! ……!!」
 あんまりだ。むねとか、おしりとか、……とかならまだわたしだって分かるのに、こんな、背中なんて……。
「背中しか……触っていないよ、梅子」
「……ッ! ン、ン……!!」
「……ふれているだけだよ? 梅子。こんなに……」
「ぁン! くあぁぁぁあ、ぅン、ぁンッ!!」
「も、濡れて……梅子」
 押し倒されない。押し倒してくれない。背中をまさぐられるたび、ううん、もう背中の産毛に触れられるだけで反応してしまう。多分ぐちゅぐちゅの、わたしの座っているところへ成田くんの大きな手が割って入って、脚を開かされて、なか、ゆびでそれをすくって。
 朝の陽光でぬるぬるとひかるそれ。
 目を開けて。
 見させられて。
 疼いて。悶えて。熱くなって。
 空いた左手のゆびが、こんどこそわたしにふれて、挿ってきて、二本、なかで交差されただけで頭が真っ白になった。

 気がつくと今度は押し倒されていた。わたしのブラは、いちおう上半身には括りつけられてあるけれどそれだけで、鎖骨あたりまでめくられている。中途半端。両手で両乳房をねっとりと揉みしだかれていて、あおむけの胸の先を、成田くんは舐めていた。
「気付いた? 梅子」
「な……りた……」
「斉志。そう呼ばないと……」
「あ!! あうぁぅぁぅン!!! や・あ・せ、せいじぃいイ!!!」
「は……もう溢れているよ梅子。感度よ過ぎ……俺を置いてイかないで」
「……や……!」
 背中……もぅ……駄目。
「目、開けて。俺を見て」
「ン……」
「梅子」
「斉志……」
「梅子、胸、大きい……」
 くちで心臓の上の乳首を音を立てて吸いながら、左手のゆびでわたしの、ぐちゅぐちゅのなかを犯す。じんじん、はもう脳天を突き抜けていて、あしが大きくM字に開かれていることとか、あいた乳首の下にはもう痣が出来ていたこととか、両耳のなかにまで唾液がのこされていたこととかは全然分からなかった。
「ぁ……ン」
 さっきの代わりと言わんばかりに全身を弄られる。髪、額、耳、ほっぺ。口の奥、唾液まで全部斉志だらけ。喉元に擦りよられた時髭を感じた。少し起こされ、背中の……ホックだけに手が掛かったのにもうびくびくいって。外されるブラ、開放感。躯の位置が戻され、鎖骨、脇のしたの時両の乳房を鷲掴みにされる。揉みしだかれる。ゆっくり、激しく、心臓ごとずっと。斉志、斉志、斉志って言う、けどそれはもう、もっとして、と言っているようなもの。ようやっと、そう思う程しつこくされた後乳首の先端を歯でやわらかく噛まれたときはもう、躯の奥からがくがくと震える。腰が浮く。おなかの筋、おへそへ舌の先。その下の……
「あッ? や、やぁああああ!!」
 思わず脚を閉じかけると、乳房にあった両手がこんどは太股の内側へ。ぐっと押されて、手が大きくて鷲掴み。とんでもなく大っきく脚を開かされて、うんと恥ずかしくて思わず斉志の頭に両手をやる。ぎゅっと目を瞑る。
「なにが……? もうこんなだよ、梅子……」
 濡れたそこを舌が、触れる。がくがくが激しくなる。舐め回される。
 そこにもある、突起……を。
「ぁン!!」
 ゆるく噛まれて、少し、けど確実にまた意識が遠のく。なのに止まない、……めくられて、舌が奥へ。
「……ッ、……ッ、……!!」
 熱くて。もう触れられるだけで、痛いほど。血が全部集中する。そこを奥まで覗かれる。舌が出たり入ったりする。チロチロ、舐められる。
 ぺちゃぺちゃと音がする……。
 ゆびでまで……広げさせられて。……貪られた。
 もう意識が飛びそうになって、斉志の、輪郭すら朦朧としてきて……腰は浮いてて、躯は弓なりになってて、多分がくがくいってて……。
「あの時……」
 すり寄って、鎖骨から首元へ、耳へ、わたしの目を見て、けど薄くしか、目を開けられなくて、色っぽくて、熱くてとろける表情で……舌の代わりにさっきのゆび、長くて、最初は一本、ぐちゅぐちゅに掻き乱されて、足らないとばかりにもう一本。も、なにがなんだか分からない。
「……?」
「クジ、持って行ったろ俺……」
 合同の組み分けをするときわたしの教室に来た成田くん。つめたい目で見下ろしていた。とても直視なんか出来なかった。
「あのとき……まじまじ見て、しまって……」
 そう言う成田くんはなにか苦しそうで……
「梅子、俺を、……見てくれなくて……それで」
 ……斉志。
「も……耐えられ……ない、梅子」
「……うん」
 来て……。
『……!!』

 もし、怖いことがあるなら。
 それは、──はじめては痛い、とか。血が出る、とか。だった。それだけ。
 成田くんがはいってきたときは。
 その前からもう、あの瞳で見つめられたときからもう、わたしの躯はしびれていて。
 ずっと、ただ見つめ返すしか出来なくて。
 だから、成田くんがわたしを犯したそのときはもう、わたしの躯はもう──
 よろこんでいた。

 熱い。捩じ込まれる。熱い。ぐりぐりと入ってくる。ずん、ずんってリズムで、わたしに入って来る。もうしがみつくことしかやっていなくて、爪を立てて、成田くんを見ることだって出来ない。息が、止まる。
「梅……子、息して」
「……、……」
「目……開けて、呼んで……」
「せ……ン」
 目を開けようとしたらまぶたに汗が落ちた。わたしのじゃない。
 だからまたうっすらとだけ目を開けてみる。はっきり見る余裕がない。
 うっすら、……斉志の、目をつむってて、睫が長くて、眉毛がキリっとしてて、そして、
 狂おしい顔。……そそった。
「斉志、斉志、斉志……」
 息をする。躯が、かたくなっていた。迎えるというとき、緊張してしまって……これじゃ斉志が来てくれない。
 奥まで来てくれない。
 名を呼ぶことで躯を、斉志のしやすいようにし……ようと、した。つめ、だめ、たてちゃ……だめ。それ、撫でる。断続的に、斉志からも声が漏れて、そのたびにぞくぞくする。
「梅……子、締め……ないで、そんなに……」
 躯が、斉志を、…… 咥えこんでて、そこが、声のたびにキュっと締まる。そうすると斉志の声がする。
 ふたりで、ハァハァ、息して、熱くて、腰が動いて、迎えて、ねじ込んで、吸って、汗も唾液も、……そこ……も混ざりあって、もう自分の境界線がなくなる。
 どのくらいそうしていたのか、とにかくもうそうしていたくて、腕で一生懸命、斉志の首にまわしたそれでしがみついて、足のゆびまで開いてて、唾液のくちが空くと名を呼んで。
 腰が……ううん、お互いの……そこがぶつかり逢って、もうそうしていたくて、けど意識が飛ぶ、飛びそうになるのを、もう止められなくて、だから、
「斉志……」
「梅子、……もう、」
 うん……
 多分次の瞬間、ふたり同時に呼び合った、と思う。

四月二十九日 日曜日

 気がつくとわたしはさっきのベッドに、掛け布団を掛けられて、横になっていた。
 躯、に……成田くんが残っている。
 目を指でごしごしこすって起き上がる。すると自分が、なにか随分おおきな服を羽織っているのが分かった。というより、起きたときそれがずり落ちそうになって思わず着直す。
 それで分かったのだけれど、でっかいその衣服はどうも、パジャマ、の上らしい。お日さまのにおい。白い木綿、やわらかい。成田くん。
 開襟の第一ボタンはわたしの胸の下。裾は膝の上。はおっているからよく分からないけれど、袖を通しても手はいったいどこまで行きつけるものやら。
「梅子。起きた?」
 奥から手にグラスを二つ。片手で二個、の成田くんが部屋へ入ってきた。もう片手には多分、このあいだと同じ濡れタオル。部屋にある扉は二つとも開け放たれていて、台所らしきところから歩いてくるのをずっと見ていた。上半身裸。多分、このパジャマの下、だけ履いている。脚長い。
 躯自体はむしろ痩身、なのに腹筋、割れている……凄い。肩が広くて腰細い。腕、血管が浮いていてなにか筋がある。無駄のない筋肉、鎖骨が色っぽく浮いている。首ののど仏。うんと鍛え上げられた躯。
「気分はどう? 動ける? ……痛い?」
 ひとまず、首を振った。横に。
 上半身だけ起こして、パジャマが落ちないようにして。グラスのひとつを渡される。氷のいっぱい入った水。思わず咽を鳴らして飲み干した。
 するともうひとつのグラスも手渡され、空いたグラスと交換する。
 それにはちょっとだけ口を付けて。
 ベッドサイドに座った成田くんが、わたしが水を飲むのを待って問いたさそうにしていたので、答えた。
「気分は……いい、です。靄々……かな。動け……る。うん」
 わたしに成田くんが残ったままの感覚。だからそのままで歩くんだと思う。これから。
 もうひとつのグラスも、結局全部飲んでしまう。成田くんはそれを受け取ると、両方ともベッドサイドの小さなテーブル上に置いた。
「梅子。ゆっくり起き上がって。よければ、膝をついて。うん、ベッドの上でいい」
 言われた通りにする。掛け布団をめくって、その上にゆっくり躯を起こして、パジャマを落とさないように直して、両膝をついたまま、手はだらんと下げる。
 本当に、頭にもやがかかっていたようなものだったから、でっかい上着をはおったままボタンもかけないこの格好が、いかに扇情的だったかなんて知らない。
 成田くんもベッドの上に。あぐらをかくような姿勢でわたしに向き合う。
「俺の首にそのまま、両腕回して寄りかかって。目、瞑ってていい。……沁みるかもしれない」
 その通りにした。体重、全部かけて、目をつむって。全部、あげる。
 パジャマの裾を成田くんがまくってうしろから、わたしのおしり側からわたしを拭う。
「血、……出ている。梅子、痛い?」
「ううん……」
 成田くんがはいってきたあのとき。ブチっと音がしたような気がした。多分それ。
 だけだと思う。
「本当? つらいだろ梅子。頼む、俺に嘘つかないでくれ」
「本当……斉志は?」
「……うん?」
「背中……わたし引っ掻いた……」
「……じゃあ、見て」
 言われて、そのまま、すぐ近くにある成田くんの、わたしが爪、がりって立ててしまった箇所を見る。……凄い、背中にもこんなに引き締まった筋肉……。
 そこに痕はなかった。
「俺、梅子に抱き締められるの、……気持ちいい」
「……いたくなかった?」
「ううん。……気持ちいい」
 ……よかった。
「うん、わたしも……気持ちいい」
 いったん開けた瞼をまた閉じた。このまま眠ってしまいたかった。
「梅子、まだ寝るな、答えて」
 拭いおわっても、わたしは腕を解かない。成田くんの髪は綺麗で、細くない、けどサラサラ。少し長め。それに思わずキスをする。少し濡れているような気がする。
 この濡れ具合、好き。思わず、首に回していた腕を、手を頭の脇にもって来て、指で成田くんの髪を梳いた。気持ちいい。
「気持ちいい……ね、成田くん」
「……斉志」
 この体勢をとると、成田くんの顔の前に、両の乳房を剥き出しで晒すことになるなんてことは考えていない。成田くんの頭を、両手でそっと支えるように、そして頭上にキスを落とす。成田くんは背が高くて、こんな状況でもないとこんなこと出来ない。
 やってみたかった、一度。いつも見下ろされるだけだったから。
「斉志……気持ちいい。気持ちいい……」
 落としたキス。髪、額、睫。そこで視線が合う。
 成田くんはなんだかやけに冷静で。
 わたしはというと、全然意識せず……成田くんがいつもする、あのうるうるな瞳で。
 きっと見ていたんだと思う。
「梅子。誘うな……」
 パジャマをすとんと落とされて。そのままわたしの背後へ。
 背中を見つめられたまま、背中に息をふきかけられるまま、その姿勢で立て膝で、段々四つん這いになって、けどもう腕で自分を支えていられなくて、そのまま、もう迎えるだけになっていて、そのまま、後ろから……

四月二十九日 日曜日

 お昼、成田くんは上半身裸のまま料理して、着るべき上のパジャマはわたしが使っていたからだけど、お昼をつくって貰ってそれを食べる。
 成田くんのパジャマの上だけを裸ではおったわたし。居間のソファに座って、すぐ隣に成田くん。
 はい、あ~ん、って……そんな優しい目で見ながら恥ずかしいことしないで下さい成田くん! 美味しい食事をいただいているんだから、そんな時に生理の周期だの期間だのを具体的に訊き出さないで下さい成田くん!
 ……もちろん、問われるがまま答えました。
 ええ。正直に……。一日目と二日目がとにかく酷くて、二日目までで大体おわって、あとは量も少ないとか。五日間でおわるとか。
 で、怒られました。三日目なのに自転車で来るなんて、とか。はーずかしー……。ええ、ちょっと危なかったんです。いろいろ。

 これから毎週、土曜日に逢おう。
 そう言った成田くんは、わたしの、ご飯を食べおわるのを待ちきれないかのように、その場でまたわたしを押し倒す。くちのなかは一緒の味。
「そういえばまだ聞いていない。梅子」
「……う」
 そう、木曜日。
 なにも言わないで帰ってしまったから。あの日ってなにをしに行ったんだろう、汗びっしょりになって、筋肉痛になってまで。
 貰われに行ったのかな……結局。奪われに。囚われに。
 成田くんはわたしの言葉を待っている。
 分かっているんだけど……なにを訊きたいか、なんて。
 けどね。
 ここは奥の部屋より明るいんです。仰向けで押し倒されて両手を頭上で押さえられて、覆うもののなにもないむね、見つめられるハヅカシさを分かって下さい成田くん。左手一本でそれやらないで成田くん。そんなとこ弄らないで成田くん!
「言うまで……このままがいい? 梅子」
 そんなところをつつっと、なぞらないで下さい成田くん!
「ああ、駄目だなこれじゃ。無理矢理になんて聞きたくない」
 じゃあどうして、わたしの両脚をがばっと開くの!? 左手は放されたけど、けど……そ、そんなとこに息吹き掛けないで!
「背中……触れないであげる」
 うっ……。
「聞きたい、な……」
 し、舌……
「いっぱい……」
 ぅうン!!
 もう、じゅぶじゅぶって……いたいの、そこが……待っているの、成田くんを。音……ぴちゃ、ぐちゅ。じゅ。
 ぬちゅ。
「な……」
「斉志」
「せ、せ・い……じ……ぃ」
「うん……?」
 ゆび、まで……二本で、わたしの、を……犯す。
 わたしを犯す。
「す……ぁン!!」
 途端、成田くんが離れて行く。離れてしまう。
 厭、行っちゃ。
「斉志……!」
「聞きたい、梅子の気持ち」
 目、半開きにしても……なりた……斉志の、裸が……
 全部、……見えている。とても凄くて。
 猛々しくて……斉志、……が、わたしを待っている。
「……好き」
 そのあと狂ったように言いました。同じこと、言い続けました。
 言わされました。散々。
 自分の意思でそうと想ったから。