日常茶飯事

「さぁや! 俺が楽しみに取っておいたバイブを捨てたな!!」
 それはまるで「俺を捨てたな」と言わんばかりの夫の叫び。
「……あのね」
 なにからツッコみゃいいのやら。
「まず」
「まず?」
 忠弘があぐらで、清子はその上にガバリと乗って。
「楽しみに。って、なに?」
 すると忠弘はみるみる、傷ついた少年のような表情になって、
「……楽しみにしていたんだ。あれをさぁやにブスリと挿し、乱れイきまくるさぁやの姿を妄想して」
「次に」
 少年の実態は大の男。性欲ムキ出しな物言いを無視して続けた。
「取っておいた、って? 私、あるったけ片付けたつもり、だけど?」
「また俺を捨てたな」
 捨てたではなく片付けた、と遠慮して言ってやったのにこのセリフ。
「なんとかかんとか大人のオモチャはいやって言ったでしょう! 忠弘じゃなきゃいやなの!! 片付けて!!」
「何度俺を捨てたら気が済むんだ!!」